室谷克実(評論家・ジャーナリスト)

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が新年早々、「今年は統一が」「統一が」と、はしゃいでいる。振り返れば、朴氏は昨年初めも「今年は統一が“テーバク”(=大当たりの意)だ」とやった。“テーバク”とは辞書にもない博打用語。これが大受けして盛り上がったが、南北間の実質進展はなかった。

 まるでカレンダー演説だが、国是の「反日」の方も、主要な闘争スケジュールが決まっている。

 まず2月22日、島根県松江市で開かれる「竹島の日」記念式典に、民族派が乗り込み、嫌がらせをする。彼らは「日警(日本の警察官)に暴行された」と言える場面を狙っている。さらに、日本政府がアップした「竹島動画」に過激な反応を示しているから、今年は危うい予感がする。

 3月1日は「3・1独立運動記念日」で、朴氏が大統領演説をする。今年は日韓国交50周年。そこで「50周年だから…」と“すり寄りポーズ”を見せるかもしれない。唯我独尊の歴史認識への日本側の同調を前提とする大原則すら、「政経分離で」という用日論理で乗り越えることも考えられる。

 彼らなりの譲歩に、日本側が応じなければ、今度は逆ギレ反日のスタートだ。

 3月下旬から4月上旬にかけては、日本の教科書検定の結果発表がある。政府間交渉がどう進んでいようと、韓国マスコミは「公民教科書はわが独島(島根県・竹島)を日本領と明記し…静かに進む友好ムードに冷水を浴びせた」と、毎度おなじみの記事を掲げる。

自民党の二階総務会長(左)との会談に臨む韓国の朴槿恵大統領
=2015年2月13日、ソウルの青瓦台
 その時期には、日本の外交青書も刊行される。これまた毎度おなじみ、韓国のマスコミは、朝日新聞が「問題だ」とした部分をそのまま採り上げ「恥知らずの戦犯国家・日本」のキャンペーンを張るだろう。

 5月には竹島防衛訓練がある。まさに対日挑発だ。海兵隊の上陸に踏み切るようだと、温厚なる日本政府も黙ってはいられない。

 8月上旬の日本の防衛白書刊行では、またまた毎度おなじみの…。

 それから、8月15日の光復節に向けては、反日全開だ。韓国マスコミは「日帝の残虐行為」の掘り起こしに全力を挙げる。韓国の小説に載っていた数字史実にしたり、合成写真を掲載したり…何でもありになる。

 そして、9月1日は関東大震災。韓国マスコミはこれを「関東大虐殺」と呼び、反日盛り上げの材料にしている。

 まさに「反日スケジュール闘争」なのだ。

 今年は「略奪された文化財の奪還」が、対日要求の1つとして本格化しそうだ。すでに反日日本人が連携に動いており、「年中闘争」になる可能性もある。極言すれば、彼らの論理は「朝鮮半島で制作された(と思われる)文化財で、日本にある物はすべて略奪された」というものだ。

 条約・協定の価値を知らない隣国の人民は、厄介なこと、この上ない。

 むろたに・かつみ 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。

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