中山成彬(元文部科学相、元国土交通相)

 私が日教組発言で国交大臣を辞してから6年経つ。あの時私は、日教組は日本の教育のガンだと言ったが、今やガン細胞は社会の隅々まで広がり、日本の宿痾となっている。日教組による日本は悪いことをした、悪い国だという自虐教育は優等生達の頭にしっかりとたたき込まれている。今年は先の大戦から70年ということで、安倍談話を出そうという話になっているが、それに対して、共産党、民主党のみならず、与党の公明党まで、過去の侵略と植民地支配に対する謝罪を盛り込むようしつこく主張している。
 20089 28
辞任会見を開く中山成彬国土交通相=2008年9月28日(鈴木健児撮影)

 400年以上続いた植民地時代だが、日本以外の国で植民地支配を謝罪した国があるのだろうか。欧米諸国はアジア、アフリカ、南アメリカの原住民を殺戮し、奴隷にし、収奪した。しかし、謝罪したという話は寡聞にして知らない。

 日本は確かに朝鮮と台湾を統治したが、欧米の植民地支配とは無縁のものであった。連合国側が日本をいつまでも敗戦国の地位に貶めておきたい気持ちは分かるが、日本人までが何故一緒に謝罪しろと合唱しなければならないのだろうか。本当に歴史を知らないのか、知ってていうのは、謝罪することは立派なことだとでも思っているのだろうか。

1日も早く自虐史観から脱却を


 日本の子供達が他国に比べて自己肯定感が低く、自分に自信を持っていないと聞くと可哀想になり、先々が心配になる。関東大震災から18年も経たない内にアメリカに歯向かうほどに発展し、戦後の焼け野が原から復興し、19年後にオリンピックを開いた日本、こんな国が他にあっただろうか。我々はもっと自信を持っていいのだ。1日も早く自虐史観から脱却しなければならないと切に願う。

 しかし、現実は厳しい。愛知県一宮市の中学校の校長が建国記念日の日を前に、建国記念日の意義や歴代天皇のもとですばらしい伝統を紡いできたこの国に誇りを持ち、世界に貢献できるよう勉学に励んで欲しいと生徒に語り、それをブログに載せたところ、市の教育委員会から断定的な書き方で、個人の考えを押し付けかねないと指摘を受け、削除したという。何が問題なのか。学習指導要領では祝日の意義を教えるようになっている。日本のすばらしい歴史を語ってどうして悪いと言いたいが、削除する校長も校長だ。もっと自信を持って子供たちに向き合ってもらいたい。
  2005 6 15
スクールミーティングで身分を隠して生徒の議論に参加する中山成彬文部科学相(当時) =東京都杉並区立和田中学校 2005年 6月 15日 


左翼の再生産の場になる教育学部

 多くの大学で、特に教育学部が左翼の再生産の場になり、日教組の供給源になっている。昨年、教育委員会制度を改革したが、教育委員会も日教組支配が強い。教育界の正常化には程遠いと溜息が出る。子供達がどんな教育を受けているか、保護者のみならず国民がもっと関心を持ってほしいと思う。

 嬉しい話もある。鹿児島県がこの4月から月1回の土曜授業を始めるという。学校週休2日制になってから県単位では全国で初めてのことだ。もともと日教組の強い県だが、全国学力テストの成績が低迷しており、父兄の見る目が厳しくなっているので、抵抗できなかったのだろう。早く毎週1日の休みに戻してほしい。

 さて、一つ提案がある。教師の給与を思いきって上げることだ。地方公務員は警察官と消防士の給料が高くなっている。教職員も昭和49年に田中角栄氏が人材確保法を制定して、教職員の給料を大幅に上げたが、その後、財政難によって徐々に削られ、今は一般公務員と変わらぬ水準になっている。

 少子化に伴い、教師の必要数も減っているが、文科省は35人学級を30人学級にするよう毎年財務省に要求している。ひとクラスが30人を越えると2つに分けるというもの。私は1クラスの生徒数があまり少ないのはよくないと思う。せめてクラスを2つに分けてソフトボールができるくらいの方が集団行動や集団心理を学ぶことになるのではないか。子供の数が減って余ってくる財源を教職員の待遇改善に当てたらいいと思う。

 今、就職口の少ない地方では、教師の採用試験の競争率は高く、優秀な人材の確保ができているが、都会の方はそうでもない。競争率3倍といっても1人が3県受験したら全員合格だ。昔から教育は教師力という。教える力と子供を愛する心を持った人材がどんどん教育界に入ってきてほしい。教育こそがその国の未来を作る。日本人はそのことを昔から知っていた筈だ。日教組に加入している先生方も、自分達は大切な国の宝を預かっている大事な職業に就いているという自覚と誇りを持って、日々子供達と接してほしいと心から願っている。

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