古賀れたテープレコーダー


 「電波の私物化」とはまさにこのことだ。

 3月27日放送のテレビ朝日「報道ステーション」での蛮行だ。

 その時の放送内容の文字起こしがネット上に公開されているので、詳細はそちらを参照頂きたい。

 「サウジ主導の空爆続く 緊迫イエメン“宗教対立”」と題したニュースの中で、キャスターの古舘伊知郎が、その日のコメンテーターであった元経済産業省官僚古賀茂明にコメントを求めた途端に、約10分間にわたるその電波ジャックは始まった。

 「そうですね。ちょっと、そのお話する前に、あの私、今日が最後ということでですね」とニュースをぶった切った古賀は、滔々とまくし立てた。その内容たるや、サウジもイエメンも何の関係もない、自らの保身のための思い込みを垂れ流すだけの、ユーチューブやニコニコ動画のオカルト陰謀論動画でさえ裸足で逃げ出すようなシロモノである。

 「菅官房長官をはじめですね、官邸の皆さんにはものすごいバッシングを受けてきましたけれども」

 などという私怨を口角泡を飛ばして恍惚としながら自らのノンストップトークに陶酔している古賀にたまりかねた古舘が「古賀さん、あの、ちょっと待って下さい」と割って入っても、壊れたテープレコーダーは止まらない。二度目に「ちょっと待って下さい!古賀さん!」と怒鳴られてからやっと、キョトンとした顔で目をぱちくりさせた古賀れたテープレコーダーは「は、はい?」と異音を発生させようやく停止する。

 ポンコツおもちゃが沈黙したことに安心したのか、古舘まで中東のニュースのことなんぞどうでもよくなってしまったらしく、古賀に畳み掛ける。

 「今のお話は、私としては承服できません」「古賀さんは金曜日に時折、出てくださって。大変、私も勉強させていただいてる流れのなかで。番組が4月から様相が変わっていくなかでも、古賀さんに機会があれば、企画が合うなら出ていただきたいと相変わらず思ってますし」「古賀さんがこれで、すべて、何かテレビ側から降ろされたっていうことは、ちょっと古賀さん、それは違うと思いますよ?」

 しかし、古賀れたテープレコーダーは、再び大音響でがなりたてる。そしてそれに大人気なく真っ向から組み付く古舘。もはやニュース番組でも何でもない。

古賀「でも。私に古館さん、言われましたよね。私がこういうふうになるっていうことについて『自分は何もできなかった。本当に申し訳ない』と」

古舘「はい。もちろんそれは、この前お話したのは楽屋で。古賀さんにいろいろ教えていただいてるなかで、古賀さんの思うような意向にそって、流れができてないんであるとしたら、大変申し訳ないって、私は思ってる、今でも」

 なんと楽屋の裏話まで持ち出す仁義なき戦いだ。ところが腐っても古賀れていてもテープレコーダーだ。こんな禁じ手まで飛び出した!

古賀「私は全部録音させていただきましたので、もし、そういうふうに言われるんだったら、全部出させていただきますけれども」

 そう言ってテープレコーダーに睨みつけられる古舘も引き下がらない。
古舘「いや、こちらもそれは出させていただくっていうことになっちゃいます、古賀さん」

 なんと、ある意味関係者がお互いに信頼関係を醸成してお茶の間に質の高いニュース番組をお届けする準備をする場であろう楽屋で、両者がお互い不信感も隠さず録音をしながら会話、いや、バトルをしていたのだと暴露してしまっているのだから、異常である。

 その後もテープレコーダーの暴走は止まらない。別のニュースに話題が移行しても、中東紛争の犠牲者や日本の政局なんぞのことはどうでも良いと思っているらしく、自分の保身のみに汲々とする。

古賀「(報道ステーションの)プロデューサーが、今度、更迭されるというのも事実です」
古舘「更迭ではないと思いますよ?」
古賀「いやいや」
古舘「私、人事のこと分かりませんが、人事異動、更迭…これやめましょう?古賀さん」

 それでも古賀れたテープレコーダーは止まらない。そればかりか、思い上がりも甚だしく、自らをマハトマ・ガンジーと同一視しているのか、ガンジーの名言を記したフリップまで用意してきてこうまくし立てる。

古賀「ただ、言わせていただければ、最後に。これをですね、ぜひ。これは古館さんにお贈りしたいんですけど。マハトマ・ガンジーの言葉です。『あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである』と」