中学生のとき、同級生にMという女子がいた。あまり賢い子ではなく、ちょいヤンキー風味でもあった。そんなMが2年上の先輩とねんごろになった。その先輩は不良グループの頭的存在で素行が悪く、校内でも恐れられていた(というか、頭が悪くて粗暴だった)。

 Mはみるみる態度が横柄になり、先輩の取り巻き連中ともタメ口をきくようになっていった。まるで権力を握ったかのように、居丈高に振る舞い始めた。

 よくよく話を聞いてみると、Mは先輩の彼女ではなく、いいように使われていたようだ。ホントかどうかは知らないが、不良グル―プの性的処理係だったとも噂されていた。あのときのMの「強い後ろ盾を得た万能感」はとても薄っぺらくて、なんだか気の毒だった。

 そんなことを思い出させてくれたのが、上西小百合議員の一連の騒動である。

 いや、もう、何がいちばんびっくりしたかと言えば、本人よりも秘書の恫喝シーン。関西テレビの直撃取材に対するあの言葉遣いだ。関テレが商店街で執拗に追いかけ回したという背景があったにしろ、なかなかの迫力で、咄嗟に出るようなものではなかった。さぞや日頃から駆使しているのだろうと思わせる、流暢な威嚇。元フォーリーブスの江木俊夫(増毛前バージョン)に似た風貌の秘書は、うっかりその素性を全国民に知らしめちゃったのである。会見時、彼が腕に巻いていた巨大な虎目石のブレスレットも「そのスジの人」という印象を強めた気もする。

記者会見中、不満そうな表情を見せる上西小百合議員
=4月3日、大阪市中央区(寺口純平撮影)
 小百合も小百合だ(この際、敬称略で)。関テレの映像では、反社会組織も真っ青な秘書の立ち居振る舞いを当然の行為として受け流しただけでなく、自身もしれっと悪態をつく始末。

 事の顛末は報道され尽くしているので、ここでは割愛する。画面に映った小百合から滲み出るモノをじっくり味わってみたい(今さらだけど)。

 まず女性に大不評の「マスカラ盛り過ぎ&垂れ目演出アイメイク」だが、そこは正直どうでもいい。オンナ度盛り増しは個性のひとつだと私は受けとめている。

 が、記者会見中の「キョトン顔」と「激しいまばたき」で会見場をぐるりと見渡すしぐさには、自己正当化しか見えてこなかった。「なんで私がこんなことしなきゃいけないのかわかんない」「私悪いことしてないもん!」と言わんばかり。

 あれ、このしぐさ、なんだかどこかで見た光景……そういえば論文捏造騒動のあの人もこれだったような。

 隣の橋下徹が言葉を発すると、ぶんむくれたようにうつむく。いや、そもそもがぶんむくれ顔なのかもしれないが、反省の色ナシと思われても仕方ない表情だ。

 個人的に最も気になったのは小百合のマイク捌きである。隣の橋下にマイクを譲りたくないのか、真意はわからないが、マイクをやたらと自分の手元に置きたがっていた。「これは私の会見」という意志の表れか。

 おそらく、小百合、実はとても不器用なのだろう。本当に狡猾な女はもう少しうまいことやる。涙のひとつでも見せ、アイラインが溶けた黒い涙流して、ひたすら謝り続け、悲劇のヒロインを装う。弁明の余地がない、覚醒剤使用で捕まった女だって涙で誤魔化すよ。

 ところが、小百合は謝る前にがっつり自己弁護。表面上は、か弱さアピールの垂れ目メイクでも、あふれんばかりの自我・強気・負けん気(井脇ノブ子か?)。

 不倫報道は誤報だったようだが、本会議サボリ疑惑&恫喝取材拒否はどうしようもない、小百合の非である。いくらタヌキ顔の女に甘いオジサンでも、それは許さないってやつよ。

 にもかかわらず、小百合は自分が悪いと思っていない。「本会議欠席もウイルス性胃腸炎が理由」「取材拒否映像も関西テレビが威圧的だったから」「支援者や先輩議員に呼ばれれば体調不良でも酒席に行かざるをえない」……だから私は悪くない!!(小百合の代わりにまとめてみました)

 つまり、何がイケナイことなのか、問題の本質をまるでわかっていないところが問題なのである。この構図、セクハラ問題と同じね。

 冒頭の同級生Mと同様、小百合もどこかで「強い後ろ盾を得た万能感」のようなものを内に育んでしまったのではないか。維新の党・橋下徹という後ろ盾は確かに強い。

 3時間にわたる記者会見は謝罪と疑惑払拭どころか、国会議員としての資質のなさを露呈しただけ。

 そもそも彼女の言葉遣いには違和感を覚えた。へりくだって「~させていただく」と連発する割に、根本的にはオラオラ系。「反省させていただきます」じゃなくて「反省いたします」だろ、とか「体調管理の不行き届きって、日本語が変」などツッコミどころも満載だが、一切反省していない本心バレバレだ。

 記者会見の後日、日テレ「スッキリ!!」で阿部祐二リポーターが再度直撃していた(阿部さん、会見場でも視聴者目線のナイスな質問を投げた)。映像を観れば、小百合の心根も明らか。「記者会見を3時間もしたんですよ!!」「いつまでこれに付き合わないといけないんですかッ?!」と再びキレ気味。だーかーらー、小百合ってばちっともわかってないんだから!!

 政治に疎い視聴者としては、今回、小百合に教えてもらったこともある。

 議員秘書の業務内容には隠蔽の他、威嚇や恫喝もあり、多岐に渡る才能が必要だということ。

 そして、小百合の勘違い万能感は、もしかしたら後ろ盾直伝で育ったものではないかということだ。