橋下徹さんが背水の陣で臨んだ大阪都構想の重要政策のひとつ、大阪市を5つの特別区に割るという内容の是非を問う住民投票が17日行われ、投開票の結果は僅差での否決となりました。ともあれ、維新の会もその他政党関係者も関わった方、皆さんお疲れ様でした。

 維新の会の党勢拡大を見込んで橋下徹さんに将来の閣僚ポストを約束し、将来の参院選を経て憲法改正を目論んでいたとされる安倍政権の狙いは崩れ去ったのかもしれません。しかしながら、有り体に言えば維新の会の結党の根拠でもある重要政策について、住民投票の結果落としてしまうようでは計算が立たないのであって、仕方がないのかなとしか思いません。

 いま各投票地域と属性別の出口調査から大阪市民の「民意」を割り出す作業が各所で進んでいると思います。現段階で確実にいえることは、維新の会自身の支持率はゆっくりと衰退しながら30代男性の働いている有権者を中心に形成されていて、次なる党の結束を可能とする種となる政策を作る必要があった、ということです。

週刊誌の“愛人と浮気”報道について会見する橋下市長。「事実と事実でない部分がある」とコメントした=2012年7月18日、大阪市役所
 支持属性別で見ると、ざっくり大阪市全体でみるならばここ2年間、一貫して数字を下げているのは女性全般です。2012年6月に週刊文春が橋下徹さんの女性問題を報じて以降、有権者が納得する形で釈明がされておらず、少ないサンプル数ではありますが毎回支持しない理由として上位に「政治家としての資質・異性問題」が入っている現実があります。政策や社会のあるべき姿が政治家として重視されるのは政治家として大事であるのは言うまでもありませんが、そういう綺麗事とも取れる表現を吐く「人物」の問題はどうしてもつきまといますし、ネットなどで話題には上らなくなっても忘れ去られることはないという現実があります。

 要は、「何をしたか」「何を言ったか」だけではなく、「誰が言ったか」「それはどういう人か」もとても重視されるのが現代政治であるということです。

 これは政治家・橋下徹の限界点であると共に、その橋下さんの能力と知名度を頼りに党勢を維持してきた維新の会の命運の問題でもあります。

 とはいえ、僅差での敗戦とは、70万票弱の有権者の賛成があったということでもあります。大阪市に限らず、日本の地方都市において改革が求められているのも事実です。ただ、そのやり方や、誰がやるのかというところで有権者の賛否が別れ、維新の会が敗れ去ったのは仕方のないことですので、うまくそのあたりの状況をきちんと分析して、関係各位が対策を立て盛り返して国民の請託に応えられるような政治にしていってほしいと強く願う次第です。