みなさんの記憶に新しいと思いますが、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された「慰安婦」像の撤去を求め、日系人や在米日本人らが連邦裁判所に訴訟を起こしました。

 昨年3月、原告であるNPO法人「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」は国会内で帰国報告会を開きました。

 その中で私は、歴史の真実を求める世界連合会代表の目良浩一元米ハーバード大助教授に対し、このような問いかけをしました。

 「皆さんはアメリカで孤軍奮闘、本当によく頑張ってくださっている。日本にいる私たちができることはなんですか?もし我々が、『河野談話』を撤回することができれば皆さんの力になりますか?」

 目良氏は大きくうなづいてくださいました。

 この裁判は被告グレンデール市の請求にこたえ、裁判所が今回の訴訟をSLAPP(strategic lawsuit against public participation 直訳すると「市民参加を妨害するための戦略的訴訟」)と認定。結果、今年に入って早々に、昨年一審判決があった連邦裁判所と同じく州裁判所も原告の訴えを棄却しました。

 そして国内でも我々は未だ河野談話を撤回するどころか、河野洋平元官房長官の国会招致すら実現できていません。

 目良氏をはじめとする在米日本人の方々との出会いは、一昨年12月にさかのぼります。

 臨時国会終了後、実際に慰安婦像が建立されたアメリカカリフォルニア州グレンデール市を訪問しました。

 これまで日本国内では忘れられていた慰安婦問題でしたが、この年5月の橋下徹日本維新の会共同代表の発言を始め、産経新聞の検証記事、NHK会長に就任した籾井勝人氏の就任会見での発言など、国内外でにわかに注目を集め始めていました。

 私たちの前にグレンデール市を訪問した国会議員はいません。今回の訪問が日本国、韓国、そしてアメリカに及ぼす影響を考えてやめた方がいいという意見が多くありました。

 でも、現場主義を自認している私は何としても実際に何が起こっているかを知りたかったのです。この時背中を押してくださったのは、中山成彬先生、山田宏先生でした。

 特に中山先生は、現地で慰安婦像撤去の運動に携わっていらっしゃる方を何人か紹介してくださいました。そのうちの一人が目良浩一氏で、滞在中の我々のガイド役も買って出てくださいました。

2月20日、提訴後に会見する「歴史の真実を求める世界連合会」の目良浩一・元ハーバード大助教授(右)。左は原告代理人の弁護士ら(中村将撮影)
 2泊4日の強行軍でしたが、とても充実した視察となりました。

 実際にアメリカに行ってみて、「中韓の国家を挙げての情報戦に大きく差をつけられて負けている日本」を思い知らされました。目良さんたちのような有志の一般人のみの活動ではとてもじゃありませんが勝てません。

 でも、河野談話を撤回すれば、日本に一筋の光が見えてくると思います。河野談話がある限り、中韓に何を言われても反論できないし、外務省も動き難い。いくら、日本が真実を叫んでも「河野談話」がある限り「日本政府が認めているではないか」と世界中から反論されます。

 アメリカから帰国した私に、予算委員会での質問のチャンスが巡ってきます。NHKの中継入りの委員会において一年生議員が質問に立てるのは異例です。私に与えられた20分をすべて慰安婦問題でやりきろうと思いました。海外で頑張っている人の力になりたい。なんといっても先人に着せられた汚名を晴らしたい。

 念入りに原稿を用意し、練習し、本番に臨みました。

 はじめに、対外広報予算がどうなっているのか?を質問。中韓の海外での展開している情報戦において、日本が国家として対応すべきだということを主張しました。

 続いてグレンデール市をはじめとするアメリカ本土での慰安婦像建立の実態について、実際に取材してきた現地の状況を話しました。

 そして最後に、河野洋平元官房長官の参考人招致を要求、予算委員会の理事会での検討をお願いしました。時間はぎりぎりでしたが、二階俊博予算委員会委員長から「検討します。」という発言を引き出すことができました。

 このあと、中山成彬先生が再度河野元官房長官と当時官房副長官だった石原伸雄氏の参考人招致を要求した結果、なんと石原氏の予算委員会招致が実現しました。(「血圧が上がるような質問をしないこと」という条件付きでした。)

 そしてこの歴史的質疑を行ったのは、山田宏先生。石原氏の口から、談話作成時に韓国とのすり合わせがあったこと、強制連行の証拠が見つからない為、元慰安婦の証言を基に談話が作成されたこと、また、その証言の裏付け調査を行っていないこと等の真実が明らかになりました。

 これを受け、政府は河野談話の検証を行うことを約束。直ちにその作業に着手しました。

 一方、日本維新の会(当時)が行った河野談話撤廃を求める国民運動は、1ヶ月あまりの間に14万筆を超える署名を集めました。中山先生、田沼隆志先生とともに官邸に署名を届けに行った時、受け取ってくださった菅官房長官が、「私も気持ちはみなさんと一緒です。」と、おっしゃってくださったことが今でも印象に残っています。
 
 さて、現状の話をします。

 政府は河野談話の検証は行いましたが、それだけで、談話の見直しや撤廃にはつながっていません。

 昨年末の選挙で次世代の党は大敗を期しました。現在国会で、慰安婦問題を口にする議員は存在せず、河野洋平元官房長官の招致も実現する機運がありません。

 朝日新聞が慰安婦問題の捏造を32年間の長きにわたり行っていたことを認め、訂正記事を出したにもかかわらず、日本国民はこのことにほとんど関心がありません。また、海外に対して全く発信されていません。
大きな手ごたえがあったと思った「慰安婦問題」ですが、現状は何ら変化がないと言わざるを得ません。

 一年前の雑誌のインタビュー記事の中で私は、

 「今は河野談話の見直しに向けた動きが注目されています。これをブームで終わらせるつもりはありません。もっと言うなら“河野談話を見直し、撤回若しくは新しい菅談話、安倍談話を作成することでブームを終わらせる”、そんな覚悟で挑んでいきたい。」

 と、発言しています。昨年のような盛り上がりはなく、ブームは去ったとみられているかもしれません。

 でも、我々の戦いは続いています。

 慰安婦問題をこのまま放置してしまうと、私たちの子どもや孫世代も中韓の嘘に謝り続けなくてはならない。そのような事態を避けるためにも、この問題は私たちの世代で解決しなくてはなりません。

 先日、村山富市元首相と河野洋平元官房長官が対談し、お互いの談話をたたえ合ったという報道に驚きました。元社会党と元自民党の要職であった二人が一緒に記者会見をする。国内外のマスコミが押し掛け、主要紙やテレビがそれを報じ、海外にも発信されました。

 反日勢力は必死です。政党の枠を超えて、大きな一つの塊になろうとしています。一方の保守勢力はいつまでたっても一つになれない。目的が一緒でも政党が違えば手を組むことを阻まれます。そればかりか、経済政策や外交手段等の意見の違いで、分裂し、お互いを攻撃し合っています。

 私はそのような状態を憂いでいますが、ただ嘆いていても始まりません。今は国会議員ではないので、活動も限られますが、自分がやれることからやっていかなければいけないと思っています。

 7月下旬にスイスジュネーブで開かれる女子差別撤廃委員会に合わせて、慰安婦問題について日本の真実を訴えるため、ジュネーブ入りをしたいと考えています。

 また後日、その報告をさせていただける機会があれば、うれしいです。