新田哲史(「アゴラ」編集長、ソーシャルアナリスト)

 どうも新田です。わーい、ついに拙著のアマゾンにレビュー、それも分かりやすい敵意丸出しで書いていただきました。文面から某選挙の某陣営の内情に詳しい方のようで、大嫌いな私のためにお金を払っていただき、さらにブログの話題も提供いただき、ありがとうございました。本を持って来れば御礼にサインして差し上げますよー。ところで、早いものであすから師走。そういうわけで、毎年恒例の流行語大賞の発表が近づいてまいりました。

 といっても、今年のノミネート語は先日も書きましたように、50語のうち4割近くを政治関連で占めたのが異例でした。

「戦争法案」が候補に?流行語大賞、感じ悪いよね

http://agora-web.jp/archives/1660561.html


 さすがにマスコミにも注目されまして、ノミネートから10日ほどして朝日でも取り上げていました。

存立危機・早く質問しろよ… 国会発、流行語候補が続々(朝日新聞デジタル)

http://www.asahi.com/articles/ASHCL5HDFHCLUTFK00F.html


 もちろん、私と朝日では考え方が対極的です。「安保法案」を「戦争法案」とレッテル貼りする等、安倍政権への批判・disりが目立ったことに私や松本さん等、アゴラ執筆陣は批判的。朝日は淡々と事実を書くことに徹しているようで、「戦争法案」の名付け親である福島センセの談話を取っており、沖縄知事に批判された菅長官の「上から目線」について記述を割いておりまして、まあ本当は「戦争法案」なり、「SEALDs」あたりの受賞を期待しているのでしょう。

 選考委員会は、姜尚中(東京大学名誉教授)、俵万智(歌人)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)で構成される。


 まあ、ネット上でも散々指摘されておりますが、選考委員の面々から推して知るべしなわけです。
記念撮影に応じる新語・流行語大賞の受賞者ら=12月1日、東京・帝国ホテル (撮影・桐山弘太)
 実は昨年も、「集団的自衛権」が選ばれた時点で、産経新聞に大賞の「政治利用」を懸念する記事が出ておりました。去年の大賞はエレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」だったわけですが、このくだりが秀逸。

 選考委員の漫画家、やくみつるさんは表彰式で「審査は中立的な立場で行ったが、大賞となった2つの言葉が並ぶと一定の意味をなす。興味深い」と指摘した。集団的自衛権の行使容認を閣議決定した首相に対し、「ダメよ~ダメダメ」と返す意味がふくまれている、とでもいいたかったのだろうか。


 いやー、記者の村上サン。この皮肉を込めた書き方、一般紙のお堅い政治部記者とは思えない遊び心のある筆致がさえております。

 流行語大賞のイベント運営の実態など興味もないので想像の域のことですが、受賞者のブッキングの調整時間を考えると、大賞は内定、あるいは少なくても大賞になる最終候補までは絞り込まれているはず。果たして、SEALDsがドヤ顔で出てきて一定層に違和感を残すのか、それとも五郎丸選手登場で国民の多数が納得の大円団になるのか。

 展開によってはネットから「もうユーキャンの通信教育やめてケイコとマナブに乗り換える!」なんて運動につながったりしないのか、いろいろと今後の展開を読むところはございますが、これ以上、政治色を強めるのかどうか、岐路に立つ流行語大賞の成り行きを生温かく見守りたいと思います。