全容は分かっていませんが、痛ましい事件が私たちの心を痛めています。

 大阪府寝屋川市の中学生の男の子と女の子、2人が巻き込まれている事件です。すでに女の子は、13日に高槻市内で無残な姿で見つかりました。
もう1人の少年については、まだ行方が分からないというのが現状です。

 こうした事件が起きても、私たちはこれからの捜査を見守っていくしかできませんが、なぜこのような残忍な犯行になったのかについては、警察が犯人をしっかりと検挙をして、そして今後の社会の教訓にしていく必要があると思います。

 当然、事件は犯人が悪いわけです。これが大前提で、その上でこうした機会に考えなければならないことがあります。
 テレビコメントなどでは遠慮されてなかなか発言は無いようですが、中学生などまだまだ小さな子供が真夜中に出歩くということについて、家庭も社会もそして地域も考える必要があると思います。

 過去をあえて持ち出しますが、横浜市長を務めていた平成15年に”夜間外出禁止令”を提案したことがあります。
 これは、当時の東京都・石原知事、埼玉県・上田知事など首都圏八都県市の首長が集まる首脳サミットで「子供達が夜間に出歩いて事件や事故に巻き込まれたりすることについて、親はもっと責任を持たなければいけない。そのためには親が子供をきちんと保護することについて罰則化も検討すべきではないか」と発言したものです。

 これには伏線があります。

 神奈川県や他のほとんどの自治体には当時から青少年保護育成条例というものがあり「午後11時から午前4時まで保護者は子どもを外出させてはならない」とされていました。
 (ただし、例えば社会的慣例の盆踊りや、指導者がいるキャンプ、夜間学校の通学、早朝の行事などは例外にしています)
ところが、この条例の存在は私の感覚ではほとんど誰も知りませんし、また、親の規範が崩れてきてもいました

 実際に、次のような例も多くありました。

 子供が真夜中にうろうろしていたので警察官が保護する
 ↓
 保護した警察官が、親に電話を入れる
 「お宅の息子さん(あるいは娘さん)を保護しています。ぜひご家庭で迎えに来てください。」
 ↓
 親が電話口で答える
 「こっちは今寝てるんです。うちの子がなんか悪いことしましたか?してないんだったらそのままにしておいてください。」

 このような例は明らかに親としての責任を放棄しています。
 私はこのような実態をよく見聞きしていたので、あえて八都県市首脳会議で「青少年の深夜の外出に対する保護者への罰則規定」を議題として挙げたわけです。
結局、罰則などは設けることはありませんでしたが、私は罰則化が目的ではなく問題提起することによって世の中がもう一度、意識しなおすきっかけにしたかったのです。

 今回の高槻市の事件がこのようなケースに該当するはわかりません。そして事態はこれからしっかりと解明していくしかありません。
 ただし、私たちはこの事件も教訓に、まだまだ保護が必要な未成年を抱えている家庭、また地域のおいて、子供に外を出歩く時間でない時はしっかりとそう伝えていくことが必要だと思います。

 今回私が本ブログで申し上げていることは、この事件で悲惨な状況に巻き込まれている保護者を責めるものではありません。
 私には事件の全容はわかりません。
 その上で私たち皆が、こうした機会に再度考えましょうと申し上げておきたいと思います。

 まだ犯人は捕まっておりません。警察には一刻も早い逮捕をお願いします。


※「中田宏公式WEBサイト」2015年8月21日より転載。