川内原発が先週火曜日(8/11)、再稼働した。核のゴミの処分場も決まっていない中での「見切り発車」で、無責任極まりないと思う。

 あの原発事故以降、電力需要は節電等で10%以上減少し、太陽光発電の大幅な普及(震災前の10倍)等で、この猛暑の中でも電力逼迫は起こっていない。

 たしかに、電気料金は、老朽火力の稼働等のコスト増で、震災前より家庭で2割、産業で3割程度上がっているとはいえ、この程度の負担増は「原発ゼロの代わりに甘受する」というのが国民の意思ではないだろうか。

 その電気料金も、原油や天然ガスの値下がり(この一年で▼3割)で今後下がる可能性もある。この4~6月期の電力会社の決算も軒並み黒字だという。電力会社の、再稼働のコスト減はさらなる電気料金の引き上げを回避する程度、という言い訳を信じてはいけない。

 維新の党は、国策としての原発推進を全面的に見直し、電力自由化によるコスト競争を通じた原発の市場からの退出(自然淘汰)、すなわち「原発フェードアウト」を基本方針としている。

九州電力川内原発の1号機(右)と2号機=鹿児島県薩摩川内市(共同)
 このため、当面の原発再稼働にも厳格な条件付けを法定することが必要だと考えており、「原発再稼働責任法案」の国会提出を準備中だ。

 その内容は、
 ①再稼働の最終責任は国であることの明確化
 ②避難計画の実効性確保と国の関与の明定
 ③周辺自治体の同意の法制度化
 ④核のゴミの最終処分の道筋の策定

 以上の条件を満たさない限りは、再稼働を認めないこととしている。したがって、事実上、今後の原発再稼働には反対していくこととなる。

 それにしても、この川内原発が再稼働して途端に、桜島の噴火警戒レベルが4、すなわち「避難準備」に引き上げられた。重大な噴火が切迫しているという。あまり科学的でないことを言いたくはないが、私は、あの原発事故以降、自然の摂理の中で生かされている人間が、その自然への畏敬の念を忘れた時、その自然から強烈な報いを受けるという思いを持つようになった。

 この川内原発の安全性審査では、火山噴火の影響について、「川内原発の運用期間中に巨大噴火が起こる可能性は十分に小さい」「モニタリングを行うことで巨大噴火を予知でき、さらに予知してから噴火までに核燃料を搬出する十分な時間がある」として、問題ないと結論づけた。
 
 しかし、火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大学名誉教授は、この「巨大噴火が起こる可能性は十分に小さい」という根拠は十分ではないとし、東京大学地震研究所の中田節也教授も「巨大噴火の時期や規模を予測することは、現在の火山学では極めて困難、無理である」「核燃料の冷却・搬出に必要な数年~10年程度より前に噴火がわかるとは限らない」としている。

 過去、姶良大噴火の火砕流が、川内原発サイトに及んでいたという痕跡もあると、九州電力さえもが認めている。この再稼働が、あの過酷深刻事故を再び起こさないように心から祈るばかりである。もう「想定外」という言い訳は断じて許されない。

江田けんじホームページ「今週の直言」2015.08.17より転載。