8月30日、国会前広場で大規模な反政府デモが行われた。これは中核派など反社会的勢力を含む日本全国の様々な反政府組織や団体などが連携して行ったものである。一部メディアなどは「反政府学生組織SEALDs」を中心に取り上げているが、実態としては共産党や労組による組織動員がメインであり、学生運動世代が中心となって行ったものであるといえよう。


 また、今回のデモにおいては、その報道のあり方に大きな疑問符が付けられるものであったともいえる。メディアを通じて、嘘が全国や世界に垂れ流された側面があり、悪質な宣伝活動に加担したメディアの存在が明確化したものであったともいえる。今回のデモの参加者人数であるが、主催者は12万人、SEALDsはTwitterで35万人、警察は3万人としているわけだが、主催者発表だけを報じていたメディアが多数存在したのである。
 国会前の広場は公開空間であり、劇場のように出入口が決まっていないため、明確な人数を測ることは難しい。しかし、実は面積からおおよその収容限度を計算することが出来るのである。国会前の広場の面積は約4万平米。そこから池や樹木など人が立てない部分を除くと3割程度になり1.2万平米が有効面積であるといえる。この1.2万平米に平米あたりの収容人数をかければ自ずから収容限度が導き出されるのである。

国会前で行われた安保法案反対デモ=8月30日、東京都千代田区の国会前(早坂洋祐撮影)
国会前で行われた安保法案反対デモ=8月30日、東京都千代田区の国会前(早坂洋祐撮影)
 収容限度は部屋や電車など壁のある密閉空間と公開空間で計算基準が大きく異なるわけだが、警察などが用いる公開空間の算定基準では混雑で平米1.2人であり、平米3人を超えると行列が止まりだし、将棋倒しなどの危険が生じるとされている。このため、混雑状態では回転が期待できるがそれを超えると回転しなくなるという構造であるため、精々3-4万人が国会前の物理的収容限度であるといえる。

 つまり、4万人を大きく超える数字は科学的に嘘であるといえるのだ。1リットルのペットボトルに3リットルの水は入らない。これは子供でもわかることである。主催者発表だけを垂れ流す報道は1リットルのペットボトルに3リットルの水が入ると宣伝しているようなものなのである。

 そして、メディアの問題はこれだけにどどまらない。今回のデモであるが、その主催者と責任が不明確であり、この点に関して疑問を呈したメディアが存在しなかったことは大きな問題である。どんなイベントでも主催者には、善管注意義務や安全管理義務などの責任が存在する。そして、事故が起きた時などの責任の所在を明らかにする義務がある。またカンパなど資金集めを行っているため、その資金の透明性と会計の責任を明示する必要もある。これは任意団体だから許されるものではない。今回のデモの主催者は「総がかり行動実行委員会」とされているものの、HPを見る限り、複数の任意団体の集合体であり、ガバナンス体制などが全くわからないのである。

 また、今回のデモに対して、反社会的勢力でありテロ組織である中核派がHPなどを通じて参加を呼びかけていたこともわかっている。このような危険を排除するのは主催者の義務であり、これが不完全であることを報じるのが本来のメディアの役割であるといえる。今回、これに関する報道は皆無であったと言っても良いだろう。

 また、本質的な問題として、デモの日時や場所について疑問を呈さないのも大きな問題である。基本的に日曜の国会にいるのは、僅かな数の見学者と国会を守る衛視さんぐらいのものである。国会周辺にはデパート等商業施設はなく、図書館があるぐらいでほとんど人は居ない。また、日曜は審議がないため、国会議員はいないに等しい。知られていない問題や自らの意見を社会の知らしめるという本来のデモの意味からすれば、日曜に国会前でデモを行うことは単なる自己満足に過ぎず間違っているといえよう。

 しかし、彼らはこのデモに意味を持たすことが出来た。何故ならば、メディアを利用することを前提に考えていたとおもわれるからである。これは呼びかけ団体の一つである共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のHPを見れば一目瞭然であり、事前報道も含め国内外のメディアの取り上げ方を大きく報じており、一つの実績として宣伝しているからである。

 これに関しては、記者や報道機関が自ら連携したのかそれとも単に利用されただけなのかわからないが、このような行為は本来の報道の役割を大きく逸脱したものであり、これを批判する報道がないことが日本の大きな問題であると思われる。

 すでに、インターネットにより報道のあり方も変わらざる得ない時代が訪れているのも事実である。今回のデモに関して、空撮写真から国会前の人数を数えた人がおり、あくまでも瞬間的な数字でしかないがほぼピーク時でも4500人程度しかいなかったということが明らかにされている。そして、この事実が証拠写真とともにTwitterにより拡散され、主催者と一部メディアへの嘲笑の対象になっているのである。すでに、情報は一部のメディアの独占物ではなくなり、嘘が簡単に暴かれる時代になっているのである。そして、この傾向はどんどん強まってゆくだろう。

 最後に、子供の頃、祖父から繰り返し言われた言葉で締めたいと思う。

 「嘘付きは泥棒の始まり、お天道さまはいつも見ている」