9・16 ドキュメント 

 今国会最大の焦点となった安全保障関連法案の審議が大詰めを迎えた。16日中の特別委採決を目指す与党に対し、野党は徹底抗戦。攻防は“日付変更線”を越え、17日未明まで続いた。

【16日午前】
 8・00 自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長が都内で会談し、週内の安全保障関連法案成立を重ねて確認
 9・40 自民党の佐藤勉国対委員長が若手衆院議員を集めた会合で「いよいよ、今国会のフィナーレが近づいている」
 10・00 参院本会議で琵琶湖再生法などが可決、成立。本会議は散会
 10・01 民主党の安住淳国対委員長代理が記者会見。「ありとあらゆる手段を講じ、可能な限りの抵抗をする」
 10・25 参院平和安全法制特別委員会理事らが、地方公聴会が行われる横浜市へ出発
 10・30 自民、公明両党と次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の野党3党の党首が会談、自衛隊の海外派遣の歯止め策として国関与の強化で合意
 同  民主党が全党所属国会議員を集めて緊急集会を開催。岡田克也代表は「私たちの後ろには7000万人、1億人がいる」
 11・05 公明党の山口那津男代表が国会内で記者団に「法案採決の前提は整っている」

【16日午後】
 1・00 横浜市で特別委地方公聴会開始
 3・00 民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの5野党国対委員長会談で、特別委開催阻止を再確認
 3・15 民主党の枝野幸男幹事長が記者会見。「数で劣勢のわれわれは手の内はさらさない。状況をみながら、その都度有効な対策を取っていく」
 3・40 特別委の地方公聴会が終了
 5・00 5野党党首会談で、特別委採決を前提とした締めくくり総括質疑は認めない、採決を強行した場合の内閣不信任決議案、首相問責決議案などの提出などで成立阻止を図る方針を確認。共産党の志位和夫委員長は記者団に「院外(国会の外)の戦いと連携して、最後まで頑張り抜きたい」
 5・39 衆院議院運営委員会理事会で、17日午後1時からの本会議開催を林幹雄委員長の職権で決定
 6・16 特別委の鴻池祥肇委員長が国会内の理事会室に向かうが、安保関連法案の成立阻止を目指す多数の野党議員に阻まれ入室できず
 6・24 鴻池氏が理事会室に入室成功
 6・32 特別委理事会が開かれるが、休憩と再開を繰り返す。このころ国会周辺ではデモがヒートアップ。枝野氏は「まともな国民の声がまともに通じる、まともな議会にしていくために頑張る」
 8・43 安倍首相が法案を審議する参院第1委員会室に入る
 10・01 参院の衛視が通路確保のため野党議員の排除を開始
 11・7 安倍首相が第1委員会室を出る

【17日午前】
 0・11 安倍首相が第1委員会室に戻る。
 同  特別委の理事会が再開されるも、約10分で休憩入り。


国会前の安保法案反対デモに対し、2重のバリケードを設置する警備に当たる警察=9月16日、国会前(早坂洋祐撮影)
国会前の安保法案反対デモに対し、2重のバリケードを設置する警備に当たる警察=9月16日、国会前(早坂洋祐撮影)

安保関連法案に反対し、国会前に集まった市民らと押し合う警備の警官隊=16日夜
安保関連法案に反対し、国会前に集まった市民らと押し合う警備の警官隊=16日夜

安保関連法案に反対する集会で、プラカードを掲げて気勢を上げる人たち=16日夜、国会前
安保関連法案に反対する集会で、プラカードを掲げて気勢を上げる人たち=16日夜、国会前

表の喧噪をよそに行われている参院平和安全法制特別委員会の理事会 中央が鴻池委員長=16日午後、国会内(鈴木健児撮影)
表の喧噪をよそに行われている参院平和安全法制特別委員会の理事会 中央が鴻池委員長=16日午後、国会内(鈴木健児撮影)
理事会が休憩に入り、理事会室を後にする民主党の福山哲郎理事(中央)=16日午後、国会内(酒巻俊介撮影)
理事会が休憩に入り、理事会室を後にする民主党の福山哲郎理事(中央)=16日午後、国会内(酒巻俊介撮影)

なかなか始まらない参院平和安全法制特別委員会の総括質疑を待つ(左から)安倍晋三首相、中谷元防衛相、岸田文雄外相=16日午後、国会・参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)
なかなか始まらない参院平和安全法制特別委員会の総括質疑を待つ(左から)安倍晋三首相、中谷元防衛相、岸田文雄外相=16日午後、国会・参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)
参院の理事会室前でもみ合う与野党の議員と衛視=16日午後
参院の理事会室前でもみ合う与野党の議員と衛視=16日午後
日が落ちても続く、国会前の安保法案反対デモ。学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーらも参加した=16日、国会前(早坂洋祐撮影)
日が落ちても続く、国会前の安保法案反対デモ。学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーらも参加した=16日、国会前(早坂洋祐撮影

休憩のため参院の理事会室を出る鴻池委員長(中央)=17日午前1時23分
休憩のため参院の理事会室を出る鴻池委員長(中央)=17日午前1時23分
参院平和安全法制特別委の締めくくり質疑が行われないまま理事会が朝まで休憩となり、委員会室から引き揚げる与野党の議員=17日午前3時
参院平和安全法制特別委の締めくくり質疑が行われないまま理事会が朝まで休憩となり、委員会室から引き揚げる与野党の議員=17日午前3時


9・17ドキュメント 

 安全保障関連法案をめぐる与野党攻防は17日、最終局面に入った。与党は参院平和安全法制特別委員会での採決に踏み切ったが、民主党など野党側は“肉弾戦”を展開するなど徹底抗戦の構え。中川雅治参院議運委員長の解任決議案などを次々と提出した。

【17日午前】
 3・26 特別委理事会を休憩し、午前8時50分に再開することを鴻池氏の職権で決定
 8・50 安倍晋三首相が参院第1委員会室に入る。特別委理事会を第1委員会室で再開
 9・10 鴻池氏が特別委開始を宣言。民主党理事らが委員長席に詰め寄り「だまし討ちだ」「ダメだってこんなの!」
 9・45 一旦休憩していた特別委が再開。野党が鴻池氏の不信任動議を提出。鴻池氏は「私に対する不信任の動議がただいま手渡されました。佐藤(正久・自民党筆頭理事)に委員長の職務を委託します」と発言して退席
 9・50 佐藤氏が特別委の休憩を宣言

【17日午後】
 1・00 特別委が再開。民主党の福山哲郎幹事長代理が約40分にわたり不信任動議の趣旨説明。長時間の演説で議事進行を遅らせる「フィリバスター」戦術
 4・27 特別委で民主党が提出した鴻池氏に対する不信任動議を反対多数により否決。首相が第1委員会室に入る
 4・28 鴻池氏が委員長席に着く。与野党の委員が続々と委員長席に詰めかけ混乱状態の中、安保関連法案の質疑打ち切り動議が与党の賛成多数で可決
 4・31 首相が第1委員会室を退室
 4・34 委員長に飛びかかる野党議員まで現れる中、安保関連法案が与党などの賛成多数により可決。自衛隊派遣をめぐり、政府に国会関与の強化を求める内容の付帯決議も採択
 5・09 法案に反対した民主、維新、共産、社民、生活の野党5党が参院国対委員長会談を開催。その後、山崎正昭参院議長に対し「特別委採決は無効だ」と申し入れ
 6・34 自民党参院議員総会で溝手顕正参院議員会長が「久しぶりのエクササイズで大変だったでしょうが、本当にご苦労さまでした」
 6・42 民主党が参院議院運営委員会理事会で、安保関連法案を緊急上程する参院本会議開催に反発し、中川議運委員長の解任決議案を提出
 8・00 民主、維新、共産、社民、生活の野党5党の国対委員長会談。共同で内閣不信任決議案を提出することで合意
 9・05 民主党が中谷元・防衛相の問責決議案を提出
 9・26 参院本会議で中川氏の解任決議案が与党の反対多数で否決
 11・00 参院本会議で山崎議長が、日付をまたいで本会議を継続するための延会を宣言

【18日午前】
 0・10 中谷氏の問責決議案を審議する参院本会議始まる 

参院平和安全法制特別委の委員会室で、委員長と野党議員のやりとりを見守る安倍首相=17日午前9時3分
参院平和安全法制特別委の委員会室で、委員長と野党議員のやりとりを見守る安倍首相=17日午前9時3分

参院平和安全法制特別委で、野党が提出した鴻池委員長への不信任動議について書かれた紙を手にする議員=17日午前
参院平和安全法制特別委で、野党が提出した鴻池委員長への不信任動議について書かれた紙を手にする議員=17日
参院平和安全法制特別委で、自らの不信任動議が否決され、委員長席に向かう鴻池委員長=17日午後4時
参院平和安全法制特別委で、自らの不信任動議が否決され、委員長席に向かう鴻池委員長=17日午後4時

参院平和安全法制特別委員会で行われた安保関連法案の採決。野党議員らは鴻池祥肇委員長に詰め寄り、激しくもみ合った=17日午後、参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)
参院平和安全法制特別委員会で行われた安保関連法案の採決。野党議員らは鴻池祥肇委員長に詰め寄り、激しくもみ合った=17日午後、参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)

警察官が警備する中、安保関連法案に反対し、国会前に集まった大勢の市民ら=17日午後
警察官が警備する中、安保関連法案に反対し、国会前に集まった大勢の市民ら=17日午後

安保関連法案が参院特別委で可決された国会正門前の通りには、反対派などによるデモ警備のため、多数の警察車両が隙間なく並べられた=17日夜
安保関連法案が参院特別委で可決された国会正門前の通りには、反対派などによるデモ警備のため、多数の警察車両が隙間なく並べられた=17日夜
国会前で安保関連法案反対を訴えるタレントの石田純一さん=9月17日夜
国会前で安保関連法案反対を訴えるタレントの石田純一さん=17日夜

参院本会議で議運委員長の解任決議案を反対多数で否決、一礼する中川雅治議運委員長=17日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)
参院本会議で議運委員長の解任決議案を反対多数で否決、一礼する中川雅治議運委員長=17日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)

首相官邸に入る安倍首相=18日午前
首相官邸に入る安倍首相=18日午前

安保関連法案の採決に抗議する韓国の左派系市民団体メンバー=18日、ソウルの日本大使館前(共同)
安保関連法案の採決に抗議する韓国の左派系市民団体メンバー=18日、ソウルの日本大使館前(共同)

北京市内の新聞スタンドで、日本の安保法案の記事を1面で報道する中国紙を求める市民=18日(共同)
北京市内の新聞スタンドで、日本の安保法案の記事を1面で報道する中国紙を求める市民=18日(共同)

役員連絡会であいさつする高村正彦副総裁(中央右)=18日午前、国会内(酒巻俊介撮影)
役員連絡会であいさつする高村正彦副総裁(中央右)=18日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

参院本会議で、山崎正昭議長の不信任決議案の投票をする議員=18日午前
参院本会議で、山崎正昭議長の不信任決議案の投票をする議員=18日午前

参院平和安全法制特別委員会の乱闘で負傷、右手の小指と薬指に包帯を巻いて参院本会議に臨む自民党の大沼瑞穂氏=18日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)
参院平和安全法制特別委員会の乱闘で負傷、右手の小指と薬指に包帯を巻いて参院本会議に臨む自民党の大沼瑞穂氏=18日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)
安倍内閣不信任決議案を大島理森衆院議長(左)に共同提出する野党5党。右から生活の党と山本太郎となかまたちの玉城デニー幹事長、社民党の照屋寛徳国対委員長、共産党の志位和夫委員長、維新の党の松野頼久代表、民主党の岡田克也代表=18日午後、国会内(酒巻俊介撮影)
安倍内閣不信任決議案を大島理森衆院議長(左)に共同提出する野党5党。右から生活の党と山本太郎となかまたちの玉城デニー幹事長、社民党の照屋寛徳国対委員長、共産党の志位和夫委員長、維新の党の松野頼久代表、民主党の岡田克也代表=18日午後、国会内(酒巻俊介撮影)
参院本会議での自身の問責決議案の討論を、厳しい表情で聞く安倍首相=18日午後.jpg
参院本会議での自身の問責決議案の討論を、厳しい表情で聞く安倍首相=18日午後

安保関連法案に反対し、国会前で声を上げる人たち=18日午後
安保関連法案に反対し、国会前で声を上げる人たち=18日午後

参院本会議の安倍晋三首相の問責決議案の投票で、議員に向かい手を合わせるなど一人牛歩戦術を行う、生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎氏(右)=18日午後、国会・参院本会議場(斎藤良雄撮影)
参院本会議の安倍晋三首相の問責決議案の投票で、議員に向かい手を合わせるなど一人牛歩戦術を行う、生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎氏(右)=18日午後、国会・参院本会議場(斎藤良雄撮影)

参院本会議で安倍晋三首相問責決議案の記名投票に、ひとり牛歩で投票に臨む生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎代表。山崎正昭参院議長からすみやかに投票するよう促され、「投票します!」と宣言=18日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)
参院本会議で安倍晋三首相問責決議案の記名投票に、ひとり牛歩で投票に臨む生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎代表。山崎正昭参院議長からすみやかに投票するよう促され、「投票します!」と宣言=18日午後、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)
内閣不信任案の衆院本会議審議で、民主党の枝野幹事長(手前)の趣旨説明を聞く(奥右から)安倍首相、麻生財務相、甘利経済再生相、菅官房長官、岸田外相、中谷防衛相=18日午後
内閣不信任案の衆院本会議審議で、民主党の枝野幹事長(手前)の趣旨説明を聞く(奥右から)安倍首相、麻生財務相、甘利経済再生相、菅官房長官、岸田外相、中谷防衛相=18日午後