Wedge編集部

 いま日本の主要大学は厳しい国際競争にさらされている。その一つの目安になるのが英国の調査機関「THE」(Times Higher Education)などが毎年発表している大学ランキングだ。「THE」の2013~14年調査をみると、東大は23位、京大52位、阪大が144位に辛うじてとどまり、早稲田、慶應はランキング圏外に沈むなど、日本のトップクラスの大学の低さが目を引く。ランキングは教育内容、論文引用、研究成果などの評価によって決まるが、日本の大学は国際化に関する評価が極めて低い。

 トップ10にはカリフォルニア工科大、ハーバード大、オックスフォード大など名門が並び、日本の大学が割って入る隙間はないようにも見える。中国やシンガポールなどにあるアジアの大学が上位にランクされ、日本の大学を追い上げてきている。
京都大吉田キャンパスの時計台前=京都市左京区
京都大吉田キャンパスの時計台前=京都市左京区
 吉見副学長は東大のランクが低い原因について「英語での授業が少ない、派遣留学生が少ない、外国人教師が少ないといった国際化要因だ。専門家による評価では東大はほぼトップ10だ」と悔しがる。「たかがランキング、されどランキング」と、結果が発表されるたびに、関係者は気をもんでいる。

 高校生にはこのランキングが目に留まっており、優秀な学生はランクの低い日本の一流大学を敬遠して欧米に向かう傾向が強まっている。アジアからのトップクラスの留学生は「日本の大学に行っても、教師や学生に英語を話せる人が少ないので、つまらない」「学部の授業レベルが低い」といった声もあり、外国人留学生の勉学意欲を失わせている。

 入試問題の英語のレベルにも問題があるという。内外の英語の試験に詳しい専門家は、今年の東大の英語の筆記試験について「(中高生の英語運用能力を測るテストの)TOEFLジュニアのレベルよりも低い」と批判しており、試験内容の見直しが求められている。

 成績優秀な受験生の一部には、東大など日本のトップクラスの大学には目もくれず、海外の大学を目指す動きが出てきている。グローバル人材を育てる専門塾「IGS」を東京・渋谷で開いている福原正大社長は「日本全国や海外から来た70人ほどが学んでいる。世界を変えたい、起業したいといった明確な目標を持った受験生が来ている。有名大学ブランドがほしくて海外に行きたいのではなく、先輩の話を聞いたりしているうちに、東大よりも海外の大学の方が自分の将来の目標にかなう大学だということが分かってきているためだ」と“東大離れ”の背景を分析する。

 日本の一流と呼ばれる大学も、うかうかしていると、将来的にグローバルな舞台で活躍できる逸材が、海外に「流出」してしまう恐れがある。