今年もコスプレ姿の若者が街にあふれるハロウィンでは、多くの写真がSNS投稿されるだろう。写真だけでなく、最近、増えているのは短時間の動画。そのニーズに応えるアプリも次々とリリースされている。たとえばInstagramが新サービスとしてリリースした動画撮影アプリの「Boomerang」は、起動するとデフォルトの設定が自撮りだ。そしてInstagramやFacebook、LINEなど様々なSNSにシェアできる。出来上がる動画はわずか1秒のため、自撮り動画のネタ化がさらにすすみそうだ。

 自撮り画像や動画をSNSに公開するのが当たり前の若者たちにとって、もっとも重要なのは見る人にどれだけウケるかだ。若ければ若いほど、比較的簡単に人から認められるウケる画像や動画の投稿はやめられないと、SNSコミュニケーションや情報モラルに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんは言う。

 「若者は自分の投稿がSNSでウケて、話題となり盛り上がることを求めます。少しでも多くの反応を期待して投稿し、ウケたことで承認欲求や自己顕示欲を満たすのです。SNS投稿する動画で人気が高いのは、みんなに笑ってもらえるウケるもの、同性から好かれるカワイイもの、そして一発芸的な内容で見た人が驚くものです。投稿するにあたり写真も変わらず人気が高いですが、最近は動画ブームですね」

 SNSに投稿される動画はより簡単に、短時間になる傾向がある。Twitterに直接アップロードできる動画は30秒、変顔を披露する女子高生が人気を集めるVINEは6秒、キス動画や双子ダンスが人気のMixChannelは10秒と短い。そして前出のBoomerangはさらに短くわずか1秒だ。画質の良さより手軽さや面白さが強調されたサービスが目立つ。

 「YouTubeはみんな大好きなのですが、若い人ほど何分も続く動画を待てないし待たない。見続けてつまらなかったら時間の無駄だと思っているようで、秒単位で判断しているんです。それに、ある程度の長い動画の構成を組み立てるのは、何の訓練もしていない一般の人には敷居が高い。たとえ6秒でも構成力がないと面白い動画は撮れない。でも、時間が短くなるほどそのハードルは下がるので、1秒は魅力的な短さでしょうね」(前出・高橋さん)

 新しい動画のサービスやツールがリリースされ人気が過熱すると、必ずウケるために過激な動画を撮るため無理をする人たちが必ず出現する。ときには深刻な事故にもつながりかねない。ネタ動画目的の悲劇は防げるのか。

「当たり前ですが、行き過ぎたネタ動画をつくらないこと。公序良俗に反するものはもちろん、たとえ若気の至りとして笑い飛ばせることでも絶対にネットでやってはいけないと忘れないことです。度を越した投稿はネット炎上を招きますが、トラブルを防ぐには、可能性を考えて自分で気をつける以外にありません。どんな新機能が生み出されても、今のところデジタルの世界では取り返しがつかないことになるからです。

 たとえばアメリカで若者に大人気の写真共有アプリSnapchatは、指定した時間を過ぎると投稿画像や動画を消去できる機能があるので安心と言われました。でも、スクリーンショットなどで保存され、投稿した人が望まない形で秘密の画像が拡散される事件がたびたび起きています。ネットはあくまでもリアルの補完ツールです。リアルのほうでしっかり暮らしていった上でネットを楽しんでください」(前出・高橋さん)

 スマートフォンの所有率は高校生で99.9%、中学生は62.1%、小学生も40.8%にのぼる(デジタルアーツ株式会社調べ)。一方で危険を回避させるためのフィルタリング利用率は48.2%と低いままだ。気づいたら自分の子どもがネットで炎上していた、なんてことにならないために、保護者のリテラシー向上も迫られている。

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