天野達志(「白紙撤回を求めるひとりの学会員」、農業)

 私の両親はともに創価学会員で、私も生まれてすぐに入信した「学会2世」で、物心ついてから公明党を自然と応援していました。署名活動を始めるきっかけは昨年7月の政府による集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定でした。この決定について私は戦争に巻き込まれる可能性があると思い、本来公明党が進めるべき政策ではないと感じました。

 私が支持していた、生命尊厳の思想に根差した「平和主義」「人間主義」といった仏法に基づいた政治の世界に反映すべく努力を続けていたはずの政党が、安倍首相・自民党が主導していた集団的自衛権容認のブレーキ役になるどころか、人の命を軽んじてしまう可能性があることに疑問を抱きはじめたわけです。すぐに私は地元の壮年部や党の集まりで、他の学会員に公明党への疑念をぶつけましたが、「行使容認に新3要件を付けたので憲法の範囲内で歯止めを掛けている」と言われ、少ない議員で頑張ってくれていたんだなとその場は思い直しました。

 しかし今年6月、衆院の憲法審査会で3人の憲法学者によって安保関連法案が「違憲」と指摘されたことで、それまで聞いていた認識とは違うのではないかと思うようになりました。法案が公明党が言うような歯止めにもならず、与党が名付けた「平和安全法制」が、平和どころか米国の戦争に巻き込まれてしまいかねないと考え、法案成立を阻止しなければならないと立ちあがりました。

(天野達志氏撮影)
 6月末に学会員以外の色々な人の話を聞きたくて、ツイッターで「ひとりの学会員」というアカウントを取りました。フォロワーからは「公明党は本来の姿を失っている」「私たちが信じている仏法の考え方に基づくこととは違うことをやろうとしている」「絶対廃案させたほうがいい」といったメッセージをいただき、自分だけの認識ではないと意を強くしました。でもツイッターやSNSで議論を交わしていても現実は変えられない、法案撤回を求める署名なら自分でも社会にアクションが起こすことができると考えて7月30日にホームページを立ち上げました。