児玉克哉(三重大学副学長)

 民主党政権が誕生しながらも、不調に終わり、その後は自民党の一強時代に入っています。最大野党の民主党でさえ、衆議院で72議席、参議院で59議席の計131議席にとどまっています。自民党は、衆議院292議席、参議院115議席の計407議席ですから、その差は歴然。後の野党は日本共産党と維新の党が存在感をもっているにすぎません。かつての最大野党日本社会党の流れをくむ社会民主党は、その存在感さえ感じられなくなりました。野党再編の話にもほとんど名前がでてきません。

 自民一強時代に対抗するには野党がまとまること、というのは一般的にでてくる話。問題はどことどこが一緒になり、そのプロセスはどのようにするのか、などをしっかりとまとめる必要があることです。どの党の誰・どのグループが主導権を持つのか、も政治の世界では重要なポイントです。

衆院本会議中、話し込む細野豪志環境相(左)と前原誠司政調会長=2012年8月2日午後、国会・衆院本会議場
衆院本会議中、話し込む細野豪志
環境相(左)と前原誠司政調会長
=2012年8月2日午後、国会
(肩書は当時)
 民主党と維新の党との合流を前提として、前原誠司元代表や細野豪志政務会長らは民主党の解党を呼びかけています。案としてはありうると思いますが、問題はそのプロセス。前原氏はともかく、細野氏は政務会長です。執行部の一員ですから、こうした党の方向性を提案するのは問題があります。まずは執行部で話をしてから、ということにすべきでした。それでなければ総務会長を辞めて、提案するということでしょう。

 民主党の岡田克也代表は、こうした民主党の解党を求める動きに不快感を示したと言われます。現実的ではないということで、来年の通常国会までに維新の党との統一会派を目指す考えを表明しています。確かに維新の党との統一会派結成は現実的ですが、これではあまりにインパクトがありません。一強の自民党、さらに強い自公連立政権に立ち向かうには力不足の感があります。

 民主党が再生するには、まずはイメージの回復も必要です。民主党政権時代のイメージが悪く、野党に下野してからも一向に支持率は戻ってきません。私は、民主党が解党し、維新の党や社民党なども巻き込んで、新たな政党を作るのは一案ではあると思います。前原ー細野ラインが主導権を持ってこのことを行うのは無理があります。いったん、岡田代表ら執行部に預け、民主党執行部も主導権を持つ形で再スタートすることが必要でしょう。時期も今年末にこだわることはないでしょう。政党交付金とかいう変な制度がありますから、今年末の再編の話にもなるのかもしれません。政党交付金のことは無視して進める方がいいでしょう。

 解党⇒新党結成となるのであれば、桜の咲く春ですね。参議院選挙まえに、心機一転、新たなスタートを切るというのが最高の時期です。共有する志のもとどのような現実的な政策を作っていくのか。時間もあります。3~4ヶ月かけて、烏合の衆でない政党を作り上げることが必要です。共通の理念と志、そして現実的な政策が新民主党には求められます。民主党が長期にわたっての弱小野党にとどまるか、新たな再スタートをすることができるのか。来年が岐路の時期だと思います。

(Yahoo!個人 2015年11月15日分を転載)