暴力団の現状




 平成25年末における暴力団員の数は、約58,600人であり、このうち2つ以上の都道府県にわたって組織を有する広域暴力団で、警察庁が集中取締りの対象としている(旧)山口組・稲川会・住吉会の3団体に所属する暴力団勢力(構成員および準構成員)は約42,300人であり、暴力団勢力全体の約7割にも及んでいます。この数字からも、とくに大規模な広域暴力団による寡占化の傾向が進んでいることが分かります。

指定暴力団山口組総本部に家宅捜索に入る捜査員ら=10月2日午後、神戸市灘区
指定暴力団山口組総本部に家宅捜索に入る
捜査員ら=10月2日午後、神戸市灘区
 暴力団勢力が全検挙人員中に占める比率は、驚くほど高く、主要刑法犯に関しては、脅迫(25.09%)、賭博(40.6%)、恐喝(42.3%)、傷害(11.9%)、殺人(13.1%)等となっており、特別法犯に関しては、競馬法違反(50.0%)、自転車競技法違反(82.4%)、覚せい剤取締法違反(56.1%)、児童福祉法違反(24.6%)、職業安定法違反(40.2%)、売春防止法違反(31.8%)、麻薬取締法違反(31.8%)、大麻取締法違反(30.1%)等となっています(平成26版犯罪白書)。このような数字からは、まさに暴力団がわが国の犯罪の主要な供給源となっているといえるでしょう。

 組織暴力団員による犯罪は、以前は暴力的な犯罪が大部分を占めていましたが、最近ではこの種の犯罪は一般に減少する傾向にあり、覚せい剤や麻薬等の非合法な物品の販売、あるいは売春や賭博、のみ行為等の非合法なサービスの提供に変わってきています(ただし、彼らの行為から暴力的要素がなくなったわけではありません)。さらに、政治活動や社会運動を仮装して企業をターゲットとして違法に利益を図る企業対象暴力事犯や、交通事故の示談、不動産をめぐるトラブルや債権取立等の市民の日常生活や経済生活に介入して、違法に利益を図る民事介入暴力事犯も重大です。

 これは、この種の行為が大きな利益をもたらすこと、また、暴力団の周辺にこれを利用して利益を得ている国民層が存在すること、さらにこれらの犯罪が顧客の需要があって始めて成り立つものであり、被害が発生しにくく、発覚もしにくいといったような事情があるからです。このため、各集団が同じ利益に群がろうとする結果、暴力団同士の資金源をめぐる抗争の原因にもなります。