実はしばき隊という人たちに関して、わたしはあまりよく知りませんでした。そのうちの一人であるN氏という人物は、ネット上にアップされていた写真を拝見しましたが、金属バットに釘を打ち込んだものを振りかざしている中途半端なヤンキーのような人、という印象でした。特に怖くもなかったんですけど、大勢で寄ってたかってわたしのTwitterに誹謗中傷を浴びせてきた行為はとても異常だと感じました。

 彼らはわたしが自分のタイムライン上で「ぱよぱよちんちん」とつぶやいていただけで、レイシストと認定し、「ろくでなし子が逮捕された時に署名したり支援してやったのに、裏切りやがって!」と言っていました。それでもまだ、ぱよちんツイートをやめないわたしに対し、「ゴミ、クズ、カス、死ね」。果ては、わたしが活動できなくなるよう「アート界から抹殺してやる!」と、自分たちが本来敵視するレイシストのような矛盾したつぶやきをしている人もいました。

 その様なわたしへの集団攻撃は1週間ほど続いたと思います。わたしの不当逮捕に対し、支援活動をしてくださったのでしたらそれについては心から感謝いたしますが、「支援してやったんだから俺たちの言うとおりにしろ!」というのは、なにかおかしい。支援とは、そのように支配的なものなのでしょうか?(ちなみに「K氏はろくでなし子に身銭を切って支援してやったんだぞ!」という方がいたので、ならばお礼を述べねばと思い、確認のために弁護団カンパ口座の通帳記録でK氏のお名前を探しているのですが、お名前が見当たりませんので、別名義で振り込んでくださったのでしょうか? 本当にありがとうございます)

 これら一連の騒動は「ぱよちん騒動」と呼ばれるようになり、その一部始終を見たネットユーザーの中には「一人の女性を集団でリンチしているおぞましい光景だ」 として、わたしを気の毒がる人もいましたが、わたしはもっと別のことを2つ考えていました。

 まず一つは、この光景が今回だけに限らず、Twitter上でわたしがこれまで受けてきた「炎上」パターンの典型であることです。

 わたしは自由につぶやきすぎるせいか、いつもTwitterで誰かに文句を言われています。ペッパイちゃんというセクハラをテーマにしたメディアアートを作ったアーティストの市原えつこさんが炎上していた時も、「ペッパイちゃん、おもしろいじゃん。」とつぶやいていただけで、Twitterで「フェミニスト」を自称する一部の女性たちから「性暴力に加担する人」に認定されてしまいました。

 ペッパイちゃんは、実物を見ればわかるように、どちらかといえばセクハラをする側(主に男性)が恥ずかしくなるような、セクハラ行為の間抜けさを可視化する装置だとわたしは思ったので、おもしろいとつぶやいたのですが、その真意も無視され、あの時もひたすら罵倒され続けました。  

 また、わたしを罵倒する人の中には「ろくでなし子が逮捕された時に署名してやったのに!」と、今回と同じようなつぶやきをしている方々もいました。わたしは実際に性暴力に加担する行為など一切していませんし、単にペッパイちゃんを面白がっただけなのに「性暴力に加担した!」と冷静さを失って怒り出す人たちに「集団ヒステリー的なもの」を感じ、しばき隊関係者とみられる人たちに罵倒された今回のことよりも、じんわりと怖かったです。

 それと二つ目は、「ぱよぱよちーん」で怒り出す一見怖そうな男性たちが、わたしを逮捕・起訴にまで追い込んだ警察当局や検察当局の人たちととてもよく似ていることでした。彼らも「まんこ」というくだらないテーマに対し、額に青筋を立てて必死になっていました。 

 わたしはよく、「ガサ入れの時に10人の刑事に取り囲まれても平気だったのはたいしたもんだ」とも感心されますが、いやいやそんなことはありません。そりゃ、見知らぬ強面のおじさんたちに取り囲まれたら、誰だって怖いでしょう。

 それでも、そのおじさんたちが真剣になっているのが「まんこ」…。これほど間抜けなことはありません。

 なので、わたしは逮捕拘留そのものがパロディや喜劇のようでおかしくて、今でも笑いがこみ上げてしまい、警察にひどくいじめられたという認識があまりないのです。