やまもといちろう(ブロガー・投資家)

 懸案となっているステルスマーケティング(いわゆる「ステマ」問題)についてはすでに多くのサイトで話題となっています。

ステマ問題でヤフーが本格調査 浮かび上がる“黒幕”たちの存在
http://diamond.jp/articles/-/76611

日本のウェブメディア「ステルスマーケティング」事情
http://www.nippon.com/ja/currents/d00199/

「ヤフージャパン一人勝ち」と「報道記事の買い叩き」がステマ横行の原因
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20151001-00050069/


 軽くおさらいをしますと、ステマがなぜいけないかは単純で、あるメディアがクライアントから資金や取材の便宜を図ってもらっているにもかかわらず、それを「広告」「PR」などと明記せず、客観的な記事を装いますと読み手は「これは中立な記事で、そのメディアが責任もって良いと思って取り上げているのだな」と誤認するようになります。これは、景品表示法上の優良誤認を導くものであって、ただちに違法である摘発の対象だというわけではありませんが、メディアを運営する上での倫理規定という観点では重要な問題であると言えます。
 なかでも、最悪のケースは一部の法曹界や消費者団体が主張するようにアメリカFTC法第5条に該当するような「不公正又は欺瞞的慣行を規制するもの」に対する規制を敷くべきだという議論が現実化してしまうことであります。そこには日本の公正取引委員会の権限強化や集団訴訟(クラスアクション)の制定など、いままで我が国が取り組んでこなかった消費者保護のアプローチについてかなり踏み込んで話を進めようということになります。単純に、これらは消費者保護の観点から言えば大幅な規制強化であり、物議を醸すことは必須です。

 あるいは、広告業界や通販業界が震撼していた「広告は勧誘か?」の議論もまた、最近の商法改正を踏み越えて大きくネット広告や取引の規制に類するものとなり、これも問題になり得ます。幸いにして、昨今の議論は「それはやりすぎでしょう」ということで少し冷静になったようにも感じますが、仮に広告は勧誘行為なのだとするならば、問題取引を広告に載せて消費者を騙す業者自体が損害賠償などの責任を負わされることはもちろん、その広告を仲介した広告代理店や、広告を掲載したメディア、場所を提供した業者などもクーリングオフ制度を乗り越えて賠償する義務を持つという、かなり強烈なアイデアです。