影島広泰(弁護士)

日本の税や社会保障の仕組みを大きく変えることになるマイナンバー制度。10月からの通知、来年1月からの運用開始を目前に控え、さまざまな情報が飛び交っている。マイナンバーとはどのような制度で、私たちの生活はどう変わるのか、弁護士の影島先生にお話をうかがった。

マイナンバーとは「氏名」のようなもの


 10月にいよいよスタートするマイナンバー制度をご存じでしょうか。「マイナンバー(個人番号)」とは、外国人を含めた、日本に住民票を持つ全員に与えられる12ケタの番号(数字)です。

 直近のスケジュールとしては、10月以降、みなさんのご自宅に簡易書留で「通知カード」が届きます。これは、市区町村の自治体が交付する紙製のカードで、ここに記載された12ケタの番号が、あなたの「マイナンバー」となります。
 マイナンバーは、誰とも重複することのない行政上の「氏名」のようなもの。サラリーマンの方は、11月あたりから来年分の扶養控除申告書を提出する際に、会社からマイナンバーの提出を求められるはずなので、しっかり保管しておいてください。

 また、マイナンバーの提出を求める会社側には、「マイナンバー法」(※注1)で「本人確認」(※注2)が義務づけられています。通知カードに記載された個人番号の確認に加え、運転免許証やパスポートなど身元(実在)確認できる証明書で本人確認をしなければなりません。

 制度運用が始まるのは、来年2016年1月です。それ以降、通知カードは、ICチップつきの「個人番号カード」に交換することができるようになります。

 通知カードと個人番号カードの大きな違いは、個人番号カードには本人確認ができる情報が入っていることです。個人番号カードには顔写真が掲載され、ICチップには券面情報(氏名、住所、生年月日、顔写真など)と電子署名がデジタル情報として入っています。

 変更手続きをせず、通知カードをそのまま使い続けることも可能ですが、その場合、個人番号を使用する場面で、運転免許証やパスポートなど写真つきの身分証明書との照合が常に必要となるため、個人番号カードに変更しておくと便利でしょう。

 なお、個人番号カードは、パスポート同様、10年ごと(子供は5年ごと)の更新が必要です。

 万が一、紛失や盗難にあっても、顔写真つきのカードですし、暗証番号が必要となるので、個人番号カードを不正利用されるケースは低いと思われます。もし、個人番号の漏えいにより悪用される恐れがあると認められる場合は、住民票のある市区町村に届けると新しい番号に変更でき、前の番号は無効となります。