猪野亨(弁護士)

 いよいよ本日は最高裁によって同姓を強制する民法の合憲性に対する判断が下されます。日本は、夫婦同姓を強制する数少ない国になりました。もはや夫婦別姓は常識といっても良いものです。
時代の流れは夫婦別姓、最高裁は時代の要請に応える義務がある

 ここでFNNの世論調査結果が非常に興味深いにものになっています。
夫婦別姓導入に「賛成」多数 でも自分は「希望しない」」(産経新聞2015年12月14日)

夫婦別姓に賛成 51.4%
     反対 42.3%

 過半数が賛成となりました。もっと素晴らしいと思うのが、年代別の結果です。

 20代は男女ともに70%以上が賛成
 60代以上は男女ともに半数以上が反対

 この中で夫婦別姓が導入されても自分は希望しないと答えた人が69.8%でした。この結果から思うところは、高齢者が反対するのはいかがなものかと思うところです。これからの世代がどちらを選択できるようにしてもいいじゃないかと思っているのに、それに対して敢えて反対を言うのは、はっきり言えば迷惑な話です。世界の趨勢、時代の趨勢が夫婦別姓へと定着し、改姓を嫌う人たちが多くいる中で、何故、同姓を押し付けようとするのでしょうか。

 若い世代がそれを望むのに、それを既に大半の人生を終えた人たちが反対し、同姓を押し付ける構図は、全くもって不快としかいいようがありません。

 夫婦別姓は時代の流れでもあり世界の趨勢です。これに敢えて反対し、絶対にダメだとする理由こそ見つかりません。

 家族の絆だ、などというお題目は全くもって意味がないだけでなく、家に縛り付けるだけの概念でしかありません。絆といいながら日本でも着実に離婚も増加し、高齢夫婦の離婚も社会現象になっているのですから、苗字が同じになったら絆が深まるなどというのはあまりに短絡的です。このような時代錯誤の発想で次の世代を縛ることは本当にやめてもらいたいものです。

 離婚数、離婚率は増え続けてきましたが、近年、それも減少傾向と言われていますが、婚姻数そのものも減少しています。今まで日本では離婚数が少なかったのは絆があったからではなく、そもそも婚姻制度の妻側が縛り付けられてきたからに過ぎません。

厚労省ホームページより
 もっとも自分は別姓にはしないが69.8%というのも別次元では問題を含んでいます。自分は別姓にしないという場合、自分は相手の苗字に変えますからという意味であれば、まだ自己決定と言えますが、自分ではなく配偶者になる人には変えることを求めているのであれば、夫婦別姓に賛成とは実は矛盾する態度とも言えます。