及川修平(司法書士)

 中国経済の先行きの不透明感から今後どのような展開を見せるのかわかりませんが、不動産の業界において、日本の不動産が「爆買い」されています。

 都心のタワーマンションなどが人気で爆買いされていると言われていますが、私の住んでいる福岡市内でも外国人が投資用のマンションを購入する例は多くなっているという印象があります。
 なかには中古のマンションを購入していくケースもありますが、これは入居者側からみると、ある日突然オーナーチェンジとなり、大家さんが外国人に代わるということです。

 このようなケースで何が問題となるでしょうか。

契約書の書き換えは、契約内容の見直しであることが多い


 日頃の業務の中で賃貸契約に関するトラブルの相談を受けることが多いのですが、賃貸物件のオーナーチェンジがあったということはよくあります。

 オーナーチェンジとなると、ある日突然、新しい管理会社から「契約書を書き換える必要があるので新しい契約書にサインをしてください」と書類が送られてくることがあります。

 これには要注意です。

 それまでと同一内容であると安易に考えてサインをしてしまうと、実は契約内容が変更となっていた…というケースが多いからです。

 家賃や共益費などの月々発生する費用について変更となっていないと気づきにくいかもしれませんが、実は契約の更新の際に更新料が発生するように変更となっていたり、退去する際に修繕費用の負担に関する部分についての契約条項が変更となっていたりする例もあります。

 これが、後々トラブルに発展する…ということもよくあるのです。

 契約書の更新のケースでは、新たな契約を締結するわけではないため、不動産仲介業者による重要事項説明がないことがほとんどで、契約内容の変更箇所に気付きにくいのですが、契約書の内容に変更箇所がないか、サインをする前にチェックをすることを忘れないでください。

そもそも契約書の書き換えに応じる必要はあるか


 オーナーチェンジがあった場合、賃貸マンションの契約はどうなるでしょうか。

 賃貸マンションの契約は、基本的に新しいオーナーに全て引き継がれます。新しいオーナーは、「以前のオーナーが締結した賃貸契約の付いたマンションを購入した」という取り扱いになるということです。

 ですので、本来、契約書の書き換えも必要ありません。

 また「契約の書き換えに応じない場合は契約の更新をしない」と言われたとしても、あわてる必要はありません。法律的には、正当な理由がなければ契約の更新をしないなどということはできません。この場合は、以前と同一条件で更新します(法定更新と言われます)。

 入居者の立場として契約内容の変更が不利となる場合は、あわてて契約書の書き換えに応じてしまうのではなく、まずは変更点の確認を行い、それからしっかりとした協議をすることが大切です。