高橋洋一(嘉悦大学教授)

 4月からの電力小売り自由化が秒読み段階になってきた。自由化に向けて新規事業者が現状よりも安い電気料金を打ち出しているが、それでも東電より数%安い程度である。

 まだ、アメリカや韓国などと比べて2倍程度と高いが、自由化の第一歩としてはまずまずだろう。今後、電力料金をさらに引き下げるには何が必要であろうか。

 ここで、電力の自由化をおさらいしておこう。電力事業は、発電事業、送配電事業、小売電気事業の三つから成り立っている。既存電力会社はこの3事業をすべて行い、地域独占になっている。電力の自由化は、発電事業と小売電気事業に新規参入を認めるものである。

 発電事業には製鉄・製紙メーカーなどがLNG、石炭火力発電などで新規参入し、小売電気事業にはガス会社、通信会社、住宅メーカーなどの多様な業者が新規参入する。なお、送配電事業では地域独占は残る。関東でいえば、送配電事業は東電の独占である。

 話はやや脱線するが、我が家では太陽光発電をしている。太陽光発電の設備を屋上に設置しただけであるが、そのとき素朴な期待があった。何かというと、「もし停電しても、太陽光発電していれば、ウチだけは電力が使える」というものだ。

 太陽光発電の仕組みは、屋上で太陽光で「発電」して、それを既存の電線で「送電」する。日中ではウチの発電量がウチの消費量を上回るので、その分が「送電」される。夜中はウチの発電量はないので、ウチの消費量はもっぱら電力会社からの「送電」に依存している。毎月、電力会社に支払う電気料金は、電力会社から「送電」される分か、電力会社へ「送電」するものを引いた残りである。
 いうなれば、ウチも小さな「発電会社」ともいえる。だから、停電しても日中のウチの消費量くらいはまかなえるし、余った分は蓄電しておけば、夜もなんとかなるだろうと考えたわけだ。

 ところが、太陽光メーカーの意見はつれなかった。

 「そういう仕組みになっていません。停電したら、太陽光で発電しても家では使えません」