仲村覚(ジャーナリスト、沖縄対策本部)

沖縄の選挙イヤーが始まった


 今年の沖縄は選挙イヤーである。1月から6月までに3つの重要な選挙が行われる。1月24日に宜野湾市長選挙の投開票が行われ、選挙最終日まで熾烈な運動が熱く繰り広げられた。安倍政権が推し進める沖縄の基地政策の目玉となる政策の先行きを占うものであり、政府としても絶対に負けられない戦いである。その影響の大きさを考えると最早、単なる地方のひとつの自治体の選挙とはいえない。また、「オール沖縄」や「沖縄の民意」を大義として辺野古移設阻止を主張してきた翁長陣営にとっても絶対に負けられない戦いである。

 また、6月には県議会選挙が行われる予定である。現在、自民党は48議席のうちの13議席のみで小数野党である。その議席数は、社会党、共産党、社会大衆党の革新3党の合計の14議席すら下回っている。公明党は3議席あるが、辺野古移設が争点になると県内移設反対側に回るので自民党にとって県議会の運営は非常に厳しい状態にある。今年の県議会選挙で自民党は議席を大幅に増やして、県政の主導を奪還できるかどうかがかかっている。いまの議席のままだと、革新与党が提案する議案がなんでも通ってしまい、安倍内閣と対立する方向に沖縄が持って行かれてしまうからだ。

 たとえば、翁長陣営が宜野湾市長選挙に敗れたことで、彼等は「沖縄の民意」という言葉の正当性を取り戻すために住民投票を行うかもしれない。また、今後沖縄を日本から引き離し独立させるための闇条例、「沖縄の自治基本条例」などを可決にもっていく危険性も高い。そのような法案を阻止するためにも、今年の県議会選挙も絶対に負けられない戦いである。

自民党沖縄県連会長である
島尻安伊子沖縄・北方担当相
 そして、最後には参議院選挙が待ち構えている。6月23日に公示予定との情報も流れたが、沖縄の自民党の立場からすると、それだけは絶対に回避してもらいたいはずだ。公示された時点で沖縄の候補の負けが決まるからだ。6月23日は「慰霊の日」で沖縄の祝日であり、公立の学校や機関は休暇となり県主催の行事をはじめ、様々な慰霊行事が行われる日である。つまり県民をあげて慰霊を行う日に選挙の出陣式を行わせるような判断を政府自民党が下すと、安倍自民党の沖縄不理解が沖縄の保守、革新関係なく広がってしまい、政府自民党が推す候補から票が逃げることは明らかだからである。

 特に沖縄の参議院議員候補の島尻安伊子氏は、現在沖縄選出国会議員の唯一の大臣であり、かつ沖縄自民党県連会長である。その島尻氏が負けるということは沖縄自民党県連そのものが負けたことになる。この敗北は翁長陣営の「オール沖縄」を勢いづかせ、沖縄の辺野古移設推進派の声を封殺し、沖縄県民全員が翁長知事を支持しているかのような空気を創りだされてしまうことになる。絶対に負けられない戦いである。そして、それらの趨勢は初戦の宜野湾市長選挙の勝敗できまってしまうのである。