NHK連続テレビ小説「あさが来た」で、「近代大阪経済の父」と呼ばれ、主人公・あさの“実業の師”として登場する「五代友厚」に、女性視聴者たちの熱い視線が注がれている。演じているのは俳優のディーン・フジオカさん。香港や台湾などではすでに有名な国際派スターだ。日本で人気に火がつくきっかけとなった朝ドラや五代役について、たっぷりと語ってもらった。(聞き手 杉山みどり)


―「五代さんを演じているあのイケメンは誰?」と、ディーンさん人気が女性の間で急上昇しています

ディーン ほんとですか? うれしいですね。やはり朝ドラ効果はすごいなぁ。

―薩摩藩士として生まれ、官を捨てて大阪発展のために生きた五代さんは、ドラマでもキーパーソンとなっています

NHK「あさが来た」で五代友厚を演じる俳優の
ディーン・フジオカさん=大阪市中央区のNHK
大阪放送局(南雲都撮影)
ディーン 感動ですね。こんな偉大な人物が日本人の先輩にいたということが。そして、その五代友厚という人物を演じさせていただく機会を自分がいただいたということが。150年前にこんな偉大な先輩がいたおかげで、現代日本人はそれぞれのライフスタイル、ワークスタイルで生きていられるんだ-。そう思いながら演じています。

―五代さんの生き方に感銘を受けられたのですね

ディーン 今はパスポートを取得して飛行機のチケットを買うお金があればどこにでも行けますが、彼が生きたのは国交がなかった時代。上海への密航、薩英戦争で捕虜となり藩外での亡命生活、偽名を使っての渡欧…。いずれも命がけです。そこまでして前に進もうとする意志の強さというか原動力は、どこからきたのか。すごく考えさせられました。

―何だと思われますか

ディーン もちろん好奇心もあったと思うのですが、それだけでは命を捨てても、という覚悟はできないでしょう。自分の国、日本という国がなくなってしまうかもしれない、という危機感を持っていたんだと思います。そして、日本のために何かを持って帰ろうとする愛国心の深さも感じます。

―五代さんのことをよくご存じなんですね

ディーン 白状しますと、恥ずかしながら、オファーを受けるまでは、まったく五代さんのことを知らなかったんです。必死で勉強しましたよ。

―猛勉強の甲斐があったのでしょう。ディーンさんが演じる五代さんはとても魅力的です

ディーン ありがとうございます。“人物像”は白紙の状態で臨みました。脚本があって監督さんの演出があって、プロジェクトを進めるプロデューサーさんがいて…。決して役者1人のミッション(使命)ではなく、みんなで作り上げていくものですが、自分が大きな責任を担っているのも確かです。