小紫恵美子(中小企業診断士 株式会社チャレンジ&グロー代表取締役/OfficeCOM代表)

 年をまたいで、「国会議員が育児休業をとってよいのかどうか」という議論が続いています。まずニュースが出たときの、コメント欄にあふれる反対意見のオンパレードに、強い違和感を抱きました。議論になることはいいことではありますが、日本では子育てのために一生のうちのひと月すら、休業するということに対してこれだけの「悪」のレッテルがはられているのか、と。その後、反対されている理由を読んでいき、確かにそうかもしれないけれどもなぜか釈然としない・・・こんな風にモヤモヤする理由を考えてみました。

職責の重さを理由に休むことを認めないという「正論」
 釈然としなかった理由のひとつめがまずこれです。今まで読んできたメディアで主な反対理由を整理してみると、
 ①国会議員は自営業。もともと育休制度などないのに加え、歳費もその間出ている。甘えている。
 ②歳費(議員さんの活動のための費用)を税金から賄っているんだから、休むな。休むなら返せ。
 ③男性の国会議員がとるなんて聞いたことがない。妻がとるのだからそれに任せろ(ないしは夫がやることなどない/お手伝いさんにやらせたって子どもは育つ)

 私自身、自営業で子育てをしている身ですので、(1)や(2)について、感情的になることは理解できます。事実、以前体調を崩して一日休んだだけでも、まるまるその日の収入が本当にゼロになる、ということも経験しております。多額の歳費という形で保証されている議員さんたちに比べれば、自営業の多くが、こうして自分のみならず家族の体調管理をしながら仕事の成果を常に求められる決断の連続、というプレッシャーを常に感じながらなんの収入保障もなく仕事をしているわけです。こうした多くの自営業者から見れば、確かに国会議員は一定期間とはいえ、収入保証のもとに働けるのだから、休むのはいかがなものか、しかもその出所が税金だ、というところで問題視されるのかもしれません。

 これに対し、憲法や国会法、国会議員資産公開法等によれば、国会議員には応召義務と行為規範の遵守義務、資産公開の義務以外には、特に「課せられる義務」についての記述が見当たらないこと(仕事はあくまでも義務ではなく権利である)、また、歳費については憲法で定められた権利であり、労働の対価ではなく国会議員の行動の自由を保障したものであることなどから、上記の(1)や(2)について、必ずしも批判の理由が的を射ているとは言えないということがわかります。