封建制度のなかった国


 中国にちょっと触れますとね、紀元前二二一年、秦の始皇帝が即位したときにあの国の運命が定まってしまいました。始皇帝は封建制を廃止して、皇帝による中央集権制を敷いた。私は封建制の味方というわけではありませんが、ハシカみたいなもので、いいか悪いかは別にして、これを通過しないと国と国民が賢くならんのですよ。封建制度がなかったから、中国人、朝鮮人のメンタリティは古代からほとんど変わっていない。中華思想というのはそう考えても普通じゃありません。それは封建制度をやめてしまったからです。

 アメリカにも封建制度はなかった。ですから、よく目をこらして見ればアメリカと中国はそっくりですよ。正面からは見えない尻尾がつながっている双生児ではないかと思うくらい。「オブ・ザ・ピープル、バイ・ザ・ピープル、フォア・ザ・ピープル」の「ピープル」を「人民」なんて訳すから勘違いする。「ピープル」は「アメリカ人」のことです。つまり「アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための政治」、インディアンを皆殺しにし、アフリカ人を奴隷にしたアメリカ人のための政治なのです。

 ローマがカルタゴを滅ぼしたとき、二度とカルタゴが復活しないように都市を焼き尽くして草木も生えないよう土地に塩をまいたという話があるけれど、これはアメリカが敗戦国日本に対してやったことと驚くほどよく似ていますね。

 もうずいぶん前のことだけれど、いちばんおかしな犯罪は銀行強盗と贋札だって阿佐田哲也とゲラゲラ笑ったことがある。金がない。じゃあ、銀行へ盗りに行こう、あるいはつくってしまおう。この妙に短絡的な発想は、非常に中国人的なんですよね。綿密な計画を立てて銀行からまんまと金を盗めるくらいなら、もっと別のことができるだろうし、贋札をつくれるほどの技術と能力があれば、ほかにもやることがあるだろう(笑)。

 彼の国では以前、段ボールを餃子の具に入れたという“事件”がありましたが、彼らは人工卵までつくっているでしょう。信長みたいに「天下一!」と褒めてやらないから、中国人は何かしたいわけですよ(笑)。

 視野狭窄になると卵しか見えないけれど、そもそも卵というものは、庭があって鶏がいて、餌があって、太陽と水があって初めてできるものでしょう。昔は中国人もわかっていたはずですけどね。それが共産党によって──つまりは鄧小平の話になるんですけれど、彼は「先に豊かになれる者から豊かになって、遅れた者に手を指し伸べよ」と言った。これではダメなんですよ。現に、豊かになった者は落伍者を助けるどころか、金を持って国外に逃げてしまった(笑)。倫理観を教えるのが先でしょう。