河合雅司(産経新聞論説委員)


下げ止まらない婚姻数


 日本の婚姻件数が減り続けている。厚生労働省の推計では昨年は63万5000組で、戦後最少を更新する見通しだ。

 日本では婚外子は2・21%(2013年)と極端に少ない。一方で、妊娠が結婚に先行する「できちゃった婚」で生まれた第一子は25・3%(2009年)を占める。結婚と出産を一体として考える人が多いということだ。婚姻件数の減少に歯止めがかからなければ、少子化は進む。

 希望しながら結婚できない人を減らすには何から着手すればよいのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が2010年に行った「第14回出生動向基本調査(独身者調査)」によれば、25~34歳は男女とも「適当な相手にめぐり合わない」が群を抜く。まず取り組むべきは、出会いの場の提供ということになる。
 各自治体も婚活支援に取り組み始めたが、必ずしも結果が表れているわけではない。ミスマッチが生じていることが原因とみられる。内閣府の「結婚・家族形成に関する調査報告書」によれば、男性は20代、30代とも年収300万円未満で未婚者が多い。女性は年収600万円以上の30代で目立つ。単に出会いの場を設定すればよいわけではないのである。

「同い年」希望が増加


 では、どうすべきか。結婚支援策では、学歴や雇用形態、年収などの属性をある程度絞り込むことが重要となる。既婚者が結婚相手をどうやって見つけたかを分析することから始めることだ。

 内閣府の「少子化と夫婦の生活環境に関する意識調査」(2012年)によれば、トップは「社会人になってからの仕事関係」で男性31・1%、女性33・9%だが、職場の出合いに行政が関与する余地はあまりないだろう。

 むしろ注目すべきは、高校や大学時代の出合いが結婚に発展しているケースが意外に多いことだ。

 「同級生同士の結婚が増えている」との民間調査もある。「アルバイト先」を含めると社会人になる前の出会いは男性が16・4%、女性も15・9%を占める。20代後半では男女とも「仕事関係」を上回っている。

 同級生婚の増加を裏付ける興味深いデータがある。独身者調査が結婚相手との年齢差の希望を調べているが、「同い年」と回答した人が男性35・8%(5年前の前回調査比6・4ポイント増)、女性29・0%(同2・2ポイント増)と顕著に増加を続けているのだ。

 1987年は男性が「3~4歳年下」の30・0%、女性は「3~4歳年上」の36・8%がトップだから、価値観が「年の差婚」からシフトしてきていることになる。

 晩婚化が指摘されるが、平均希望結婚年齢は男性30・4歳、女性28・4歳。男女とも20代で相手を見つけたいと考えている人が少なくない。

 これらのデータを勘案すれば、結婚を意識し始める20代半ば以降の人たちを対象に高校や大学の同窓会を開くことが有効といえそうだ。同級生の出会いを政策として支援するのである。

ボランティアを通じて


 「学校」が男女の出合いの場になるのは、境遇や素養などが似通っており、多くの人が同じようなライフコースを歩むからだろう。共通の話題もあり打ち解けやすい。

 だが、年に1度ぐらい同窓会を開いても恋愛に発展するとは限らない。在学中から付き合っていたカップルもいるだろうが、主に同窓会の再会で意気投合し、ゴールインするケースが想定されよう。

 そこで提言したいのが、地方創生と結びつけるボランティア活動やサークル活動の展開だ。一緒に汗をかくことで結びつきが深まる。

 同級生同士でいくつもの少人数グループを結成し、福祉や観光イベント、地域おこし事業などそれぞれの得意分野に取り組むのである。卒業後、遠方で就職した人は休日のみ参加してもよい。男子校や女子校の出身者は、複数の学校が提携して“合同同窓会”の形にすれば解決する。

 自治体は予算を確保し、高校や大学と連携して連絡事務やグループ分け、ボランティア先とのコーディネートなど運営に主体的に携わる。

 自治体にとっては、ボランティアを確保できるだけでなく、20代の若者が地域に関心を持つようになれば、やがて地方創生の“応援団”ともなるメリットがある。

 男女の縁とは思わぬところにあるものだ。その芽を大切に育てる支援が望まれる。