木曽崇(国際カジノ研究所所長)

 ここの所、ユニバーサルスタジオジャパン(以下、USJ)の業績が良いようです。以下、昨年11月の産経新聞による報道。

USJ10月動員「TDL超えた」独自試算分析で“勝利宣言” ハロウィーンイベント好調で

http://www.sankei.com/west/news/151102/wst1511020088-n1.html

 テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市此花区)の運営会社ユー・エス・ジェイは2日、10月の入場者数が約175万人に達し、単月として開業以来最高を記録したと発表した。入場者が自由に仮装し、パーク内にゾンビが大量に出現するハロウィーンのイベントが好調だった。記者会見した運営会社、ユー・エス・ジェイの森岡毅(つよし)執行役員は「われわれの分析では東京ディズニーランド(TDL)を抜き、10月は国内のテーマパークで最も人を集めたと考えている」と述べた。

 ライバルの入場者数を勝手に試算して勝手に「勝利宣言」を行うというのも非常に微妙なニュースではありますが、USJが上り調子なのに対してディズニーの業績が減速気味であるというのはハロウィンだけの一過性のものではありません。2015年の上半期(4〜9月)の実績値として両園から発表されている入場者数においても、ディズニーが前年同期比でマイナスに落ち込む一方で、USJは過去最高を更新しています。長らく国内テーマパークとして「独り勝ち」状態と言われ続けてきたディズニーを、完全にUSJが追い上げている状況であります。

東京ディズニーランドで開かれた成人式で、新成人たちを祝福して回るミッキーマウス
東京ディズニーランドで開かれた成人式で、新成人たちを祝福して回るミッキーマウス
 なぜUSJがこれ程までに好調なのかに関しては様々な角度から分析が可能であり、当然ながら最大の成功要因となるのは大ヒット映画「ハリーポッター」をテーマとした園内エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」など、園内コンテンツ戦略の成功にあることは間違いありません。一方、ディズニーが入場客数で前年度割れをしている主たる要因としてしばしば挙げられるのが、昨年4月に行った入場料金の値上げであります。以下、入場料金の引き上げを報じた当時のニュースからの転載。

東京ディズニーランド入場料値上げ発表 全種類は4年ぶり、「1デー」は500円高い6900円に

http://www.sankei.com/economy/news/150129/ecn1501290035-n1.html

 オリエンタルランドは29日、東京ディズニーランド(千葉県浦安市)、東京ディズニーシー(同)の入場料を4月1日から値上げすると発表した。現在大人6400円で1日自由に使える「1デーパスポート」を6900円と、500円引き上げる。年間パスポートなど、すべての入場チケット価格も引き上げる。

 ただ実は、現在のディズニーは2017年に予定されている大ヒット映画「アナと雪の女王」の新テーマゾーンを含む大型リニューアル準備の真っ只中にあります。新規のコンテンツ投入のない本年度は、そもそも入場者数の落ち込みがある程度予測されていたのが実情であって、逆にいえば今年4月に行われた入場料値上げはその予想される入場客数の落ち込みを一人あたり売上高を引き上げる形で補完するものとなったのが実態。