事実、現在ディズニーより発表されている最新の業績予想では、前期比で3.1%減少した入場者数を、3.7%増加した「一人あたり売上高」が補完する形で総売上が微増するという展開となっています。以下、東京ディズニーリゾートの運営元であるオリエンタルランドの財務情報からの転載。

業績予想―オリエンタルランド

http://www.olc.co.jp/ir/anticipation.html

 2015年度入園者数は、初期需要が特に高かった「ワンス・アポン・ア・タイム」や「アナとエルサのフローズンファンタジー」が、2年目となることによって減少すると見込んでいますが、チケット価格改定などによるチケット収入の増加により、ゲスト1人当たり売上高が増加し、増収となる見込みです。

 そのようなディズニーの価格戦略と好対照となるのがUSJによる「エクスプレス・パス」の存在です。エクスプレス・パスとは、園内で有料販売の行われている優先パスポートのことで、このパスポートを所有する者は順番待ちをする一般客を追い越す形で各アトラクションに優先搭乗が可能となります。このエクスプレス・パスは登場当初から「不公平だ」「儲け主義だ」などとの批判が一部から出ている一方で非常に人気が高く、一日あたりの発売数が制限されていることから昨年11月に転売防止策が講じられるまで、オンライン等で高値での売買が為されるなど問題化していた程でありました。

 また、このエクスプレス・パスの価格戦略上の最大の特徴となるのが、予測される入場客数に合わせてパスポート価格も変動する点。例えば、園内7つのアトラクションで優先搭乗が可能となる「パス7」においては、その日の需要に合わせて6600円から9800円の間で価格変動するものとされています(2016年1月24日現在)。

 先に挙げたディズニーの価格戦略は、予測される入場客数の落ち込みを入場料の上乗せで補完するという関係にありましたが、逆にUSJは予想される需要超過期を逆手にとって、そこから増収を狙うという真逆の戦略をとっていると言えます。「全てのお客様を平等に」の理念を守りながら全体値上げの中から「薄く広く」増収を狙うディズニーと、「不平等だ」との誹りを受けながらも一部顧客の優遇から増収を狙うUSJ。これら価格戦略の違いは経営理念そのものの差から来るものと言えそうですが、少なくとも間近の経営状況を比較する限り、業績面では今の所USJに軍配が上がりそうです。