現在77歳。テレビ・ラジオ出演、講演、公開講座、著作や連載の執筆と、田原総一朗さんの精力的な活動は衰えることを知らない。好奇心旺盛で何でもおもしろがる性格が、その原動力のようだ。「日本人男性の平均寿命が80歳と言われる今、70代はまだまだひよっこ」と自ら言い切る田原さんに、最近思う、「かけがえのないとき」を聞いた。

 私の1日は、朝8時過ぎに起床し、トーストとちょっとした野菜サラダと紅茶程度の朝食を自分で作って食べながら、朝刊6紙に目を通すことから始まります。その後マンションの1階に下り、すぐさま6階まで歩いて階段を上るのを日課にしており、それが終わって一休みしたら、自宅から六本木のANAインターコンチネンタルホテルに移動。そこで1日7件から10件ぐらい、打ち合わせや取材などで人に会い、原稿は、その合間に書いたり、夜、自宅に帰って書いたり。地方に講演などで出かける以外、私の毎日は大体こんなパターンです。

 そうした1日の中、ときどき1人になってじっくり考え事をする時間が必要になります。そんな時、私はトイレに入るんです。個室で便座のフタを下ろし、そこに20、30分じっと腰掛けていると、すごく落ち着けて、いいアイデアが浮かんだり、考えがまとまってくる。外国はトイレにフタがないことが多いでしょう。だから、海外へ行く際は、ちょうど便器の上に置けるぐらいのお盆を持っていくんです(笑)。トイレに座って考え事をするのは、それほど私にとって大事な時間なんですよ。
インタビューに答える田原総一朗氏
インタビューに答える田原総一朗氏
 私は今年で77歳。だから、やることなすこと全てがかけがえのない時間であり、かけがえのない行動だと思っています。ただ、これまでは70過ぎれば年寄りと思っていましたが、日本人男性の平均寿命が80歳、女性が86歳と聞いてからは、「70代はまだまだひよっこ。年をとって生きるというのは、80代、90代のことを言うのだ」と考えるようになりました。今は、80代をどう生きるか、90代をどう生きるかが、われわれ世代のテーマなんだと感じています。日本は、一応60歳が定年ですが、そんなのまだ若い。ひよっことも言えない年齢ですよ。