陸上自衛隊にはその他にも、離島に侵入した武装工作員などへの対処のため、西部方面普通科連隊(約700名)がある。

 この部隊は、高度なレンジャー訓練を受けた多くの隊員が配属された3個普通科中隊を基幹とする日本版海兵隊のような水陸両用部隊なのである。近くこの西部方面普通科連隊を基礎としてさらに2個連隊を増強し、水陸両用装甲車を保有する3000人規模の「水陸機動団」を新編する予定だ。

 さらに配備予定のMV22オスプレイによって迅速な空中機動が可能となり、陸上自衛隊の特殊部隊の即応能力は一層強化されることになろう。

 特殊部隊は陸上自衛隊だけではない。
ヘリコプターから不審船に乗り移る海上自衛隊の特別警備隊員=広島
 海上自衛隊にも「特別警備隊」と呼ばれる特殊部隊があり、彼らは、船舶への強襲や不審船舶等への対入り検査など多岐にわたる特殊任務を担っている。四面環海の我が国とっては極めて重要な部隊なのだ。

 加えて、航空自衛隊にも“特殊部隊”がある。

 「この“100人のスーパーマン”になるための志願者が続く限り日本は大丈夫ですよ」

 かつて航空自衛隊支援集団司令官であった織田空将(当時)はそう語ってくれた。

 その“100人のスーパーマン”とは、航空救難団所属の救難員のことであり、通称「メディック」と呼ばれている。彼らの任務は、救難ヘリに乗り込んで、主として墜落した自衛隊機のパイロットや搭乗員を救助することだが、ほかにも民間船舶の海難事故や雪山での山岳遭難にも出動し、これまでに数多くの人命を救ってきた。

 とくに東日本大震災ではその真価が発揮され、航空自衛隊百里救難隊だけでも実に1353人の尊い命を救い、60人の救急患者を空輸によってその命をつないだのだった。

 メディックの数は100名。彼らはみな航空機整備や要撃官制など様々な職種の中から厳しい選抜試験をパスし、さらに自衛隊の教育機関の中でも最も過酷といわれる1年間の教育訓練課程を耐え抜いてきたエリート隊員なのである。なんと彼らは航空自衛官でありながら、陸上自衛隊の訓練の中でも最も厳しいレンジャー過程と空挺過程を修了しているのだ。

 とにかくその訓練はとてつもなく厳しい。

 なぜなら彼らを待ち受けているのは、厳冬の雪山から荒れ狂う海まで筆紙に尽くせぬほど過酷な環境だからである。

 かつて教育救難隊の教官の一人がこう語ってくれた。

 「ここでは、毎日が“トライアスロン”ですよ。訓練がないのは寝ているときだけです」

 そのため訓練途中で選考に振るい落とされる者も少なくない。それでも毎年4―5名がこの過酷な訓練を耐え抜いてゆくのだからその精神力・体力は人並み外れたものがある。

 至純の愛国心を胸に抱いた若者達が志願してやってくる自衛隊の中から、さらに厳しい訓練に耐え抜いた選りすぐりの者で編成されているのが“特殊部隊”なのだ。

 まさに彼らは“日本の守護神”なのである。