山岡鉄秀(AJCN代表)

それはコリアンファンタジー


 昨年末の慰安婦日韓合意以降、これまで平和だった豪州ブリスベンでも「水曜デモ」が始まった。日本領事館前に十数人の韓国系住民が立ち、「20万人の女性が性奴隷にされた」と訴えるビラを配っている。そこにわれわれAJCN(Australia-Japan Community Network)の現地メンバーが近寄り、慰安婦の実態について英語で解説した小冊子を渡しながら話しかける。

 「これを読んでください。事実に基づいた議論をしませんか?」

 翌週、再度話しかける。「読んでくれましたか?」

 韓国人が答える。「意見が違い過ぎて議論できません」

 「では、20万人の根拠を教えてください」

 「証言者の人数が少ないのは、恥ずかしくて人前に出られなかったからです」

 「それでは答えになっていませんね。少なくとも、事実に基づいた話がしたいのですが」

 答えはない。何度繰り返しても同じことだ。彼らは事実の検証など興味ないし、したくもない。事実の検証などすれば、自分たちの目的が果たせなくなってしまうからだ。彼らの真の目的は何だろうか?
 ストラスフィールド市における慰安婦像設置を巡る攻防の最中、韓国系反日団体のリーダーは韓人会のホームページに高まる感情を書き綴った。

 「韓国の歴史は惨めだった。常に諸外国の侵略を受けたが、我々は抗する力もなく、団結もできなかった。この惨めな歴史ゆえに、我々は敵(日本人)を降伏させ、謝罪させるために戦う。韓国の悲しい歴史は我々の世代で終わる。そして、新しい、力強い、何万年も続く歴史が始まるのだ」

 「この土地にも住む、日本人に我々は二度と敗れはしない。日本軍国主義の復活を夢見る安倍晋三に連なる、反省しない日本人を粉砕し、女性の人権侵害の歴史に終止符を打つ。慰安婦として働いた20万人の哀れなうら若き女性たちの涙をぬぐい去るのだ」

 お分かりいただけるだろう。韓国人はこう考えていると推察できる。

・韓国の歴史は悲惨で惨めだった

・その責任の一端は、無力で団結できなかった自分たちにもある

・日本に謝罪させることで、惨めな歴史に終止符を打ち、新たな歴史を始めることができる


 このリーダーが訴えている文脈からすれば、韓国の惨めな歴史の原因は日本にだけあるわけではないことがわかるし、本人もそのことを認識している。しかし、今、鬱憤をぶつけることができ、まともに謝ってくれるのは日本だけだから、日本にだけ気持ちをぶつけているのだ。彼らの目的は、長い歴史で積もり積もった民族的な鬱憤と屈辱を日本にぶつけて晴らすことだ。慰安婦問題は朝日新聞と左翼活動家が与えてくれた絶好の口実に過ぎない。別の韓国人活動家はメディアの取材に答えて言った。「慰安婦像設置は我々にとってのヒーリングプロセスなのです」。

 今年に入って、「鬼郷」という映画の試写会がアメリカで行われ、韓国では上映されて人気を博しているという。20万人の韓国人少女たちが、日本軍に拉致され、凌辱されたあげく、虐殺されたという荒唐無稽な映画だ。朝鮮日報(2月5日)によるとチョ・ジェンレ監督は「少女たちは異郷で寂しく死んでしまった。映画ででも故郷に連れて行ってあげたいという思いが強かった」「ユダヤ人虐殺のような犯罪の話として見て欲しい」と語ったという。

 日本人なら、事実の検証もせずに、自国の少女が外国の軍隊に20万人も拉致され、凌辱されたあげくに虐殺された映画をつくって、ホロコーストに見立てて感慨にふけるという行為は思いも付かない。この監督と反日団体リーダー、そしてブリスベンのデモ参加者のメンタリティには明確な共通点がある。

・事実の検証には興味がない

・自国の悲劇の歴史は大げさに言いふらす方がよい