山本優美子(「なでしこアクション」代表)

 「これは注目を集めるチャンス!」 私が日韓合意の時に思ったことです。その時、私はひと月半後の2016年2月にジュネーブの国連欧州本部で行われる女子差別撤廃委員会で配布する慰安婦問題英文冊子の作成に追われていました。

 これまで、国連の人権関連委員会は、全くといっていいほど注目されてきませんでした。ところが、日韓合意に「国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える」とあり、合意後初めての国連舞台が2月の委員会となったのです。しかも、日本政府は委員会からの質問「『慰安婦』の強制的連行を示す証拠はなかったという最近の公式声明について日本政府のコメントを求める」に回答しなくてはならないという状況でした。俄然、委員会での日本政府の答弁が注目を集めることになったのです。

 国連で「慰安婦=性奴隷」を広めたのは日本人です。韓国ではありません。これに対して日本政府が反論し事実関係を述べるのは、日韓合意にある「互いに非難・批判する」には全く当てはまりません。

 国連においてはNGOの意見が非常に尊重されます。日弁連、反差別国際運動(部落解放同盟系)、新日本婦人の会(共産党系)、ヒューマンライツナウ、などのいわゆる左派は、これまで委員会の度に国連に通い、意見レポートを提出し、発言し、ロビー活動をし、時には委員を日本に招くなど、自分たちの影響力を強くする様々な活動をしてきました。
国連女子差別撤廃委員会に先だって開かれた委員会とNGOの非公式会合の会場に集まった日本からのNGO=2月15日、ジュネーブの国連欧州本部(田北真樹子撮影)
国連女子差別撤廃委員会に先だって開かれた委員会とNGOの非公式会合の会場に集まった日本からのNGO=2月15日、ジュネーブの国連欧州本部(田北真樹子撮影)
 日本の状況などよく知らない委員達は、自ら調査研究することも無く、日本のNGOからの情報を基に最終見解の勧告という形で日本政府に様々な要求をつきつけます。NGOの意見が国連というフィルターを通して権威づけされて日本に戻ってくるというのが実態。国連の委員会は左派NGOの牙城なのです。

 この状況を覆すには私たちも国連に意見を届けなければならなりません。そこで、なでしこアクションは「慰安婦の真実国民運動」と協力し、2015年7月の準備委員会に参加しました。「強制連行はない、性奴隷ではない」旨の意見レポートを出した上で、会議で発言もしました。