長谷川豊(フリーアナウンサー)

 最後のチャンスとなるだろう。民主党と維新の党が合流することになった。党名を変更し、新しく再出発する。さて、果たしてどうなるか。

 皆さんもご存じの通り、「維新の党」などと名乗ってはいるが、はっきり言って、その中身は到底リスペクト出来る集団ではない。民主党は2009年に政権交代を掲げて与党となった。しかし、相次ぐ不祥事に実行力の無さ、マニフェストの不実行などが重なり、その支持率は地に落ちていった。その時に…このままだと次の選挙で当選できないから、このままだとエライエライ国会議員さんではいられなくなってしまいそうだから…と、当時、大人気だった橋下徹氏人気に縋(すが)りつきに行った議員達が現在の「維新の党」の大半である。

 キツイことを言うが「維新」などとは名ばかりの「何にも新しくしないし新しくする能力も一つもない集団」が現在の「維新の党」の正体という批判を受けてもしょうがない部分があるのだ。さぞかし、大阪を大改革している本家の「おおさか維新」の議員たちは辟易とした時間を過ごしていたことだろう。大阪府知事の松井氏などは「やっと偽物の皆さんが民主党に吸収される」とあまりにも的を射た表現をしていたが、その言葉で今回の騒動は全て収まる。

 ちなみに、維新の残りのメンバーは基本的には「結いの党」のメンバー…要は元「みんなの党」のメンバーだ。こちらも当時、かなりの人気を誇った政治家・渡辺喜美氏の人気に集ったメンバーと見えてしまう側面が否定できない。

 先週、実はある与党関係者と話す機会があったのだが、バッサリ「ま、あんなの烏合の衆ですよ、長谷川さん」と切り捨てられていたが、大きく否定もできまい。苦しい時も、つらい時も、民主党の看板を背負って戦い続けてきた元々の民主党のメンバーの方が…これであれば10倍はマシだ。新しく加わるメンバーに、私は現時点ではほぼ期待できないと予想する。

自民党ははっきりとした理念と政策を打ち出せている


 しかし、自民一強体制の政治は、私もあまり歓迎できないところなのは事実だ。そこで本気になって民主党から変わる新政党の主軸を考えてみた。これは…アメリカ政治をはじめとする多くの国が採用している「2大政党制」を参考にすればヒントとなる気がする。

 まず自民党をしっかりと分析してみよう。かなり安定した政権運営が出来ているのは、しっかりとした「信念」があり、それが国民に伝わっていること。そしてそれらを実行する「実行力」があることだ。

 国に対する理念は保守的と言える。「戦後レジームから脱却」に代表されるようにアメリカの占領統治下に植え付け得られた「日本バカじゃね?」「日本ダメダメじゃね?」という…(ウヨク的な言い方をすれば)「自虐史観」を否定する考え方だ。若者風に言えば「自分たちをディスるの、やめよ~ぜぇ」になる。ずいぶん言い方は違うが言ってることは一緒だ。

 国の防衛も同じだ。「日本」としてまず独立しよう!が前提だ。なので、集団的自衛権など、現実的に必要となるであろう法案は通す。憲法も現実的でなさすぎるので改正をしようと動く。

 経済政策で言えば、完全な「トリクルダウン政策」である。まず、富裕層を元気づける。株価も上げる。そして、その恩恵を労働者階級に普及させる。当然、格差は広がる。格差が広がっても悔しくて負けたくないなら汗をかけ、という価値観が根底にあるのがトリクルダウンだ。そうやって残酷であっても一部の能力のある連中が徹底的に国の経済を引っ張る。要はアメリカ型だ。