おわりに~保守陣営よ、戦略を持て

 改憲の機運が盛り上がっているなどと上滑りすべきではない。これすべて、岡田克也氏が与えてくれた僥倖にすぎないのだから、むしろ気を引き締めるべきである。

 かつて、コミンテルンは言論界の乗っ取りを手始めに、遂には世界に冠たる大日本帝国を滅ぼした。最近の研究では、当時の日本で勇ましい発言をする者の九割は何の戦略もない思いつきで行動していただけであり、一割のスパイは偽装右翼として潜伏、正論が通りそうになる時だけ全力で潰していたことがわかってきた。

 この反省無くして、戦後レジームの脱却などありえない。戦後レジームとは敗戦体制なのだから、昭和二十年八月十五日に始まったのではない。その前に原因があるのだ。我々は負けた反省、特に正しい言論が通らなくなった反省こそ、命懸けで行うべきだ。

 党首に返り咲いてからの岡田克也氏の言動を目にするにつけ、安倍内閣を支え、戦後初の改憲を軌道に乗せようとしているとしか思えない。

 ここで頭の体操をする。もし私が岡田氏を操る黒幕だったとすれば、何を考えてそれをやるか。毒にこそなれ、薬にはならない改憲案を安倍内閣に発議させ、大騒ぎをしてレッテル張りをした上で通す。そして、まともな改憲案を二度と出させないようにさせる。

 かくして、日本が敗戦国のままの体制は、改憲前よりも強固になる。

 何の証拠もない頭の体操だが、このような事態が絶対に起こりえないと言えるだろうか。黒幕が居る、居ないにかかわらず。

 私が七条と五十三条の改正を参議院選挙で打ちだすよう求めるのは、そのような悪意をも想定しての事なのだ。