昨年の賞金女王イ・ボミ(韓国)が開幕戦6位フィニッシュのあと、先週の日本女子プロゴルフ協会(LPGA)国内女子ツアー第2戦「PRGRレディスカップ」で早くも優勝を飾り、二年連続賞金女王獲得に向けて順調なスタートを切った。

 PRGRレディスカップでは最終日3打差でスタート。最終ホールのスーパーショットで首位に並び、4ホールにおよぶ3選手のプレーオフを制した。抜群の安定感と勝負強さ、そして華やかさ。今シーズンも日本の女子プロツアーはイ・ボミ中心に展開することを強く印象づけた。
アプローチショットを放つイ・ボミ(韓国)
=沖縄・琉球GC (撮影・中島信生)
アプローチショットを放つイ・ボミ(韓国) =沖縄・琉球GC (撮影・中島信生)

 ゴルフ好きにはいまさら説明するまでもないが、イ・ボミは昨季、男女を通じて最高の賞金獲得額を記録して、賞金女王に輝いた。年間2億2581万7057円は、男子ツアーの過去最高額(2001年の伊沢利光)をも上回る。日韓両国のツアーで賞金女王に輝いたのもイ・ボミが初めてだ。

 すっかり有名になった「チーム・イ・ボミ」は今年も変わらない。谷口徹、上田桃子らで実績のある専属キャディーの清水重憲、トレーナーの渡辺吾児也(あるや)、用具契約メーカー『本間ゴルフ』、所属事務所、そして母親らのブレーンが、イ・ボミを支えている。

 昨季の飛躍と好調は様々な表現で語られているが、最も印象的なのは、パットを「構えてから2秒で打つ」と決めて練習を重ね、実践し続けて変わったという発見と行動だ。

 いま風の表現をすれば「ルーティーン」と理解されるだろうが、私はこれを「いい意味で考えない」成果だと感じる。すべてのショットはそうだが、とくにパットは「考えること」が邪魔をする。頭で考えたら身体が自然に動かなくなる。それなのに、考えてしまう。イ・ボミは「2秒」と決め、身体の動きに意識を向けることで「思考」や「頭脳」をプレーから追い出した。今季もそれが実践できれば、勢いは続くだろう。

 順風満帆。悩みなどなさそうに見えるイ・ボミだが、一方で、ジリジリした思いも抱えている。