北条かや(著述家)

 厚労省によると、昨年末時点で生活保護を受けている人の数は「216万5585人」。前月より1210人増えた。ただ、雇用が改善しているためか、受給者数は前年と比べて4576人減っている。アベノミクスが成功したかは別として、生活保護を受ける人の数は、「景気と連動して減る」。

 一方、生活保護を受ける「世帯数」は増えた。昨年末時点で「163万4185世帯」もあり、前月より1965世帯増加。前年同月からは、1万5989世帯増えている。高齢化で一人暮らしのお年寄りが増えたためだ。自治体の福祉関係者が増員された、という話は聞いたことがないので、職員1人あたりが対応する「世帯」は、むしろ増えているのだろう。そんな中、大分県で「生活保護費を使ったパチンコ禁止」をめぐるニュースが話題を呼んだ。今回は、その是非から、私たちのなかにある「正しい貧乏のあり方」について考えたい。

「健康で文化的な最低限度」を一律に決めるのは不可能


 大分県別府市では昨年10月、パチンコ店や競輪場に「受給者がいないか」巡回調査を実施。2回以上、こうした遊戯場に出入りした受給者9人に対し、「医療扶助(医療費の補助)」以外の生活保護を1~2か月、取りやめた経緯がある。中津市でも同様、月に1回パチンコ店などをチェックし、バツとして受給者4人の支給を減額していた。別府市では、保護受給者に対し、「遊技場(パチンコ、競輪場など)に立ち入る行為は、浪費を助長するため、慎む」との誓約書や指示書もあったようだ。それでも、ギャンブルにハマる人はやってしまう。
 「生活保護法第60条」には、「収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」とある。これが「パチンコ禁止」を正当化できるか。大分県や厚労省は「できない」とみたようだ。

 今年2月と3月には、大分県が別府市と中津市に指導。今年度からは、巡回は続けるものの、生活保護費の停止・減額措置は行われないことになった。巡回は行われることから、「バツを伴わない生活指導」の意味合いが強くなると思われる。