中田宏(元横浜市長)



 尖閣諸島には毎日のように中国の公船が来ています。

 今月17日に佐藤雄二・海上保安庁長官が記者会見で、今年に中国公船が尖閣諸島沖で領海侵犯したのは33件でこれは政府が尖閣諸島を国有化した平成24年9月からは合計で137件とのことです。また今年に領海外側の接続水域に中国公船が入ったのは233日で3日に2日は中国の船が居る状態ということです。

 情報元は明かせませんが知人が先日、尖閣諸島沖を飛行機で飛行した際に中国公船が3隻とそれに対する日本の海上保安庁船が3隻が並走していたのが見えたとのことでした。海上保安庁船が領海内側を航行して中国公船がその外側で並走しながら日本側はここから内は日本の領海だから出て行けとアナウンスして逆に中国はここは我々のものだと言っているのでしょう。こんな状況が毎日毎日続いています。

 中国公船の行動パターンは
・接続水域を海保と並走して何日か活動する
・他の船と交代するタイミングで2時間ほど領海を侵犯して出て行く
とネタ元は明かせませんが聞けば皆さん信頼するだろう人からの情報です。

尖閣諸島周辺や日本海などで任務に奔走する海自哨戒機の主力「P3C」(海上自衛隊提供)
尖閣諸島周辺や日本海などで任務に奔走する海自哨戒機の主力「P3C」(海上自衛隊提供)
 このような毎日日常化している尖閣の現状を私たちは目の当たりにすることはないですからなかなか実感はないですがこれを知っておく必要があります。ちなみに中国の領海侵犯や接続水域での情報をきっちり報じているのは知る限り産経新聞だけです。

 その産経の別の22日の記事で本当に小さな扱いでしたけれども中国公船に初めて武器が確認されたそうです。攻撃用の機関砲が合計で4基搭載されていたとのことです。

 こうしたニュースでもっと事実関係を知らないと国民は冷静な議論が逆にできないでしょう。

 「話せばわかる」といってもまず領海を守る意思がなければ進展しない。フィリピンがまさにこの状態で島や領海がもはや中国の手に落ちているということは先日ブログに書きました。

2015/12/7「やっぱ大事でしょ!小さな国際記事に見た「意思と能力」の重要性」

 今年、安倍政権は安全保障法制をようやく作って少し前進しましたがしかし中国はこうして一歩ずつ一歩ずつにじり寄るだけではなく武器を見せながら近づいてきているわけで、わが国の安保法整備はやはりこれからも不断の見直しが必要だと言わざるを得ません。
安倍さんよくやっていますが元を正せば自民党が長年の政権で手をつけてこなかったことのツケが回っているわけですから自民党はしっかりしなければいけません。

 振り返れば1972年9月に日中は国交を正常化しましたが、その4ヶ月前に中国漁船が尖閣諸島に100隻もやってきて中国の島だ領海だとアピールしました。その後3ヶ月間睨み合いながら日中国交正常化となりましたけれどもその時に当時の日本政府は日中間の境界線をはっきりさせる方針だったにもかかわらずそうしなかったことが今に至っているわけです。

 そして今、毎日のように中国船が来ていることをメディアはしっかりと伝えなければなりませんし、私達も「また来ているのか」と鈍感になってはダメで不断の注意が必要です。

(2015年12月30日「中田宏ブログ」より転載)