田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 民主党と維新の党が合併して、党名を「民進党」として再出発した。各種世論調査をみると、民進党への支持率が、母体であった両党を合わせたものよりも低くなってしまっている。もちろん新しい政党への評価が定まるには時間を要するのが一般的だ。だが、私見では民進党には経済政策の面で、まったく期待できそうもない。

 では、どんな政策を「民進党」は採用するのだろうか? 民進党のホームページには、「基本的政策合意」が掲載されている(https://www.minshin.jp/about-dp/policy-agreement)。この文章からわかるのは、規制改革や政府部門の縮小(小さな政府)を志向する構造改革路線が鮮明だということだ。構造改革(効率性)を追求することで経済成長を実現していく。そしてこの構造改革と同時に社会保障の充実という再分配政策を追求するものになっている。基本的に、民主党政権発足のときの政策志向と変更はない。

 例えば、最大の経済政策の論点である消費増税についての記述をみてみよう。「消費税10%への引き上げは、身を切る改革の前進と社会保障の充実を前提とする」と書いてある。この「身を切る改革」というのが、先の「小さな政府」の追求という構造改革路線である。つまり効率性の追求と再分配政策の強化がなければ、消費増税を否定するという考え方である。

 また旧民主党、旧維新の党では、「軽減税率の導入を前提とした消費税増税に反対」ということも党の方針であった。軽減税率を含んだ税制改正関連法が3月29日に成立したことで、それを理由とした消費増税反対路線が、両党の立場になるはずであると、普通なら考えるところである。
民進党結党大会では岡田克也代表が写ったポスターが飾られていた。自身のポスター前をたまたま通りかかった岡田代表=3月27日、東京・高輪のホテル(鈴木健児撮影)
民進党結党大会では岡田克也代表が写ったポスターが飾られていた。自身のポスター前をたまたま通りかかった岡田代表=3月27日、東京・高輪のホテル(鈴木健児撮影)
 だが、どうも消費増税の反対が鮮明ではない。民進党の岡田克也代表が最近出たテレビでは、消費増税についての立場を明言することを避け、または秋にその立場を表明するなどとしている。もちろん岡田代表個人が、財政再建を重視するいわゆる「緊縮派」であり、また消費増税の予定通りの実施に前向きなのは、おそらく周知の事実だ。だが、軽減税率の導入を前提にした税制改正関連法が成立したからには、党として鮮明に消費増税に反対しないのは一貫性がないと批判されてもやむをえないだろう。