●小規模保育や派遣型保育、ベビーシッターの活用に舵を切る

 じゃあどうするの?という点については、小規模保育や派遣型保育・ベビーシッターの活用に舵を切るしかありません。

 特に小規模保育は猪瀬知事時代に一定の補助スキームが確立されましたが、派遣型保育・ベビーシッターに対しては未だにほとんど行政の補助がありません。(基礎自治体が独自に行なっていることはあっても、東京都はほぼ無策)

 利用者のニーズに合わせて自宅で保育を行うシステムであれば、需要次第で供給が調整できるので、今後の少子化にも機動的に対応できます。

 私が当選前から主張していることですが、フランスなどではベビーシッターが保育の中心で、保育所というハコモノに預けられている子どもはごくわずかです。

参考:日本は子育て貧困国!子育て支援政策をフランス流へ

もちろんこの方向性に舵を切るためには、

「ベビーシッターなんて危険!公立の施設が安心安全」
「そもそも、見ず知らずの他人に自分の子どもを預けるなんてダメだ!」

という世論(偏見)を変えていかなければなりませんが、その点の普及啓発も含めて東京都が率先して努力していくべきでしょう。若い子育て世代はだいぶ、こうした偏見からは脱却しているように思えます。

●補助金を供給側(施設)から需要側(利用者)へ。子育てバウチャーの導入を

 では具体的にどのように施策を展開していくかというと、保育所をつくる・運営するために出している補助金を、利用者側に転換していくだけ。まるまる新たな財源を創りだす必要はありません。

 認可保育園というのは、本来利用者が負担すべき金額を行政が施設側に補助するから安く使えているわけで、保育園に入れない人たちはこの恩恵に預かれません。

 見方によってはこれほど不公平な制度はありませんので、冒頭の記事の中でも

>保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。

という一文がありましたが、保育・子育て関連のみに使えるバウチャー(クーポン券みたいなもの)を子育て世帯に一律で給付すれば良いのです。

 保育所に当選した人は、そのバウチャーを保育料に使えばいいし、ベビーシッターを利用する人はシッター代に充てることで、誰もが安価に保育サービスにたどり着くことができます。

 バウチャー利用を見込んで、新規の保育事業者の民間参入も加速するでしょう。さらなる利点として、バウチャーを利用できる事業者を登録制・認可制にすることで、不安視されているベビーシッターの質を担保・高める効果も期待できます。

 バウチャー導入は待機児童問題を解決するとともに、共働きで高額納税している人ほどなぜか保育園に入れないという、「受益と負担」の不公平を是正することにもつながるのです。


 …というわけで、冒頭記事の筆者の主な主張は「もっと保育所をつくれゴルァ!」ということだったのですが、むしろ解決策としては

「(行政が)保育所をつくるのをやめろ!その分を利用者に配れ!」

という方向が正しいのではないかと思います。もちろん民間参入による保育所の新設は必要ですし、そのためには保育士不足の改善=保育士の待遇改善に十分な投資をしていかなければなりません。

 そもそも全体的に子育て世帯・子どもたちに対する投資額が、わが国は先進国にあるまじき低さであることが諸悪の根源です。オジサン政治家たちは口先ばかりで、この問題に本腰を入れませんので、次世代の政治家や世論が声を大にして突き動かしていく必要があります。

 バウチャー制度の導入を唱える政治家・議員はまだそれほど多くありませんが、この理念の普及とともに、議会での政策提言も粘り強く続けて参ります。