渡邉哲也(経済評論家)

 現在、待機児童問題が一部メディアや国会など大きく取り上げられている。この問題について考えてみたいと思う。

 すべての問題に共通することであるが、問題を正しく理解し解決するためには問題の整理と分解が必要であり、その過程の考察がもっとも重要である。

 「物事には原因があり、過程があって、結果(現在)に至る」わけであり。結果(現在)だけを見ていても仕方がないし、それだけでは本質的解決には至らない。また、批判だけなら誰でもできるが、それは誰かが対応してくれるという他力本願的思考であり、無責任なものでもある。
公明党の待機児童対策推進プロジェクトチームから提言を渡される
安倍晋三首相(左)。右から公明党の佐々木さやか氏、高木美智代氏
=3月25日午後、首相官邸(宮崎瑞穂撮影)
公明党の待機児童対策推進プロジェクトチームから提言を渡される 安倍晋三首相(左)。右から公明党の佐々木さやか氏、高木美智代氏 =3月25日午後、首相官邸(宮崎瑞穂撮影)

 今回の待機児童問題であるが、これが国会で議論されるきっかけになったのは「保育園落ちた、日本死ね」という匿名のプログの投稿が原因である。まず、この問題について論じてみよう。



 そもそも論として、認可保育所(園)とは、児童福祉法に基づく「児童福祉施設」であり、保護者が仕事や病気などの理由で保育を出来ない児童を救済し、保護者を助けるためのものである。また、認可保育所は所得に合わせた保護者の負担もあるが、不足分を税金で補う形で運営されている。あくまでも、これは社会のセーフティネットの一部でしかない。だから、入園にあたり審査が存在し、家庭の事情を勘案したうえで低所得者などから優先的に入園を許可する仕組みになっているわけである。

 だから、保護者による扶養を受けられ公的支援を必要としない又は支援の優先順位が低いと判断された児童は入園を許可されないケースが出てくるわけである。逆説的に言えば、「保育園に落ちる」というのは、社会的に恵まれているともいえるのだ。 但し、この審査基準には地域差が存在し、児童が少ない地域では容易に入園が出来、児童が多い地域では他地域で入園が認められる児童でも、その定員から入園を許可されないケースも出てくる。

 そして、許可されなかった児童を受け入れる施設として、認可外保育施設やベビーシッターなどが存在するが、法律で厳しく施設の基準や保育士の数など設置条件が決められている認可保育所に比べ、サービスレベルが一定していないという問題もある。特に安価な料金を売り物にしている認可外保育所ではこの傾向が強いのである。また、ベビーシッターなども同様であるといえる。