また、認可保育所と待機児童の問題で最大の問題は乳幼児の問題である。

 認可保育所では、0歳児:保育士1人につき子ども3人、1・2歳児:保育士1人につき子ども6人、3歳児:保育士1人につき子ども20人、4・5歳児:保育士1人につき子ども30人という規定があり、乳幼児を受け入れるにはたくさんの保育士を必要とする。そのため、0−1・2歳児の受け入れ可能な保育所は少ないのである。また、0−1、2歳児の受け入れを拡大しようとすれば、保育士の人員の問題から逆に3歳児以上の受け入れが不可能になってしまう。
 
 そして、保育所と幼稚園の関係の問題もある。保育所が児童福祉施設であるのに対して、幼稚園は学校教育施設であり、本質的にはその役割が違う。しかし、現在では保育所で児童教育を行う施設も増加しており、その垣根が低くなっている。また、民主党政権での幼保一体化議論がこれをさらに複雑化させているともいえる。保護者の間でもこの区別がついていない保護者も増えており、保育園を幼稚園と同様に利用している保護者も多いのだ。

民主党の待機児童緊急対策本部の初会合で母親を前にあいさつする
事務局長の山尾志桜里氏(左)。中央は本部長の岡田克也代表、右は
本部長代行の蓮舫代表代行=3月15日、衆院第2議員会館(酒巻俊介撮影)
民主党の待機児童緊急対策本部の初会合で母親を前にあいさつする 事務局長の山尾志桜里氏(左)。中央は本部長の岡田克也代表、右は 本部長代行の蓮舫代表代行=3月15日、衆院第2議員会館(酒巻俊介撮影)
 また、安倍政権では、労働者減少社会への対応として、一億総括社会と働く女性への支援というのを政策課題として上げており、女性が働きやすくする環境づくりが一つの政策テーマになっているわけである。だからこそ、待機児童の解消は政権の大きな責任にもなっている。しかし、保育所建設をめぐる周辺住民との問題や保育士総数の問題など物理的限界もあり、予算をつけることは大切であるが、予算をつけただけでは解決できない問題でもあるわけだ。

 では、予算について見ていこう。民主党の待機児童問題での自民党批判を受けて、インターネットでその検証が始まり、民主党にもその責任があるのではという声が広がった。

 これに対して、民主党の玉木雄一郎議員は「待機児童問題に関して、民主党が事業仕分けで保育所関連経費を削減したとのネット情報があるが、全くのデマだ。
公立保育所の予算は小泉政権時代の「三位一体改革」で平成16年に運営費が、福田内閣時代の平成20年に整備費が、それぞれ一般財源化されており、そもそも国の予算ではなくなっている。」と民主党の責任を否定、これを受けて、蓮舫議員は「保育所関連施設を事業仕分けの対象にした、との間違いが時々見受けられますが、そもそも自民党が一般財源化したもので国の予算ではないためあり得ません。」とツイートした。