また、政府の取り組みについても、後付けで「日本死ね!」が出て騒がれたのもありますが、そもそも昨年12月に大きな予算を家庭につけていくことで予算が審議され、可決されています。これだけ騒がれているのになぜ政府は対策しないのか、という話があったのも事実ですが、よく見てみるととっくに予算の増額を終えてこれから対応するのだという矢先のことであったという風にも見えます。

育児、観光軸に73・1兆円 16年度予算、政策経費最大

http://www.47news.jp/news/2015/12/post_20151221212800.html

 そうなると、政策の方法として認可保育園という制度のままで本当に良いのか、託児をする人への扶助ではなくて、育児世帯への家計全体への扶助と、健全な保育園間の競争を促す方向へとシフトしていかざるを得ないのかもしれません。

 逆説的に、前述している駒崎さんの議論の中で、保育士への給与を増やして労働人口をあるべき方向へ動かすよりは、育児世帯に直接給付などをしながら「保育園に預けていようがいまいが、子供を育てているという社会貢献に対して国が助成する」ことのほうが政策として合理的になってしまうことになります。

 少子化対策や育児世代の負担を減らしていくぞとなると、さらには財源の問題にも差し掛かります。何度も議論されてきたことですが、通り一遍に国家公務員を減らしたり、国防費を削ったりしても財源には程遠い現状です。そうなると、文字通り日本の労働人口減少による経済の衰退によって貧しくなりパイが減っていくなかで、老人に対する社会保障費を減らして育児世代に回せ、という世代間闘争が永田町や霞ヶ関の両側をはさんで勃発することになろうかと思います。

 つまりは、保育園問題自体は単体で存在しているものではなく、国全体、社会全体として子供を育む環境をどう作っていくのかという長年にわたる問題である、国の根幹にかかわる課題なのだ、と知っていただきたいところです。