先日、千利休をヒストリアで取り上げていました。さすがお金をかけて、どこへでも取材に行け、圧倒的な知名度で豊富な情報を元に創ってある番組で、私の好きなテレビのひとつです。

 でも、どこか違和感があります。豊臣秀吉に対してなぜかNHKは否定的なのです。

 一時、歴史上の人物で最も人気を誇った秀吉は、往時の面影を残さなくなってきました。自分の努力と才覚で立身出世し、関白まで登りつめる姿は、高度成長期の日本とあいまって、国民の圧倒的支持を得ました。

 あの田中角栄も「今太閤」として称されましたが、現在の若者に「今太閤」といってどれだけ通じるのでしょう?

 卑しい身分の秀吉は、人脈をつくり、主人を選び、そして選んだ主人にとことん付いていくという忠誠心を発揮して、時を待ち、天下人となったのは皆さんよくご存知ですね。

 日本平定後、明国を侵略しようと朝鮮半島へ出兵し、そこで、朝鮮民衆の反撃で野望が費えたという筋書きがNHKにある様に思えてなりません。

 秀吉が朝鮮に出兵していた時に、アジアの国々やヨーロッパの国々で何が起こっていたかは、あまり言われません。

 アジアの国々は、大航海時代の幕開けと共に、スペイン、ポルトガルがキリスト教を尖兵にして植民地化していたのです。

 フランシスコザビエルは日本で布教を2年ほどした後に、大陸へ戻り明の布教に乗り出します。そして、マカオで亡くなるのです。今でもザビエルの手のミイラが残っています。

 日本に残った宣教師たちは、火薬や西洋の武器で自分の領国を守ろうとするキリシタン大名を使い、布教を強力に推し進め、その土地の神社仏閣を破壊し、先祖のお墓を壊して地元の住民と諍いが耐えませんでした。

 天草四郎で有名な島原へ行っても、キリスト教会はありません。人々もキリシタンに同情する人はあまりいません。なぜなら、彼らは先祖代々の墓を壊したひどい人たちだからです。

 あまりにもひどいキリシタンの行いに一度は布教を許した大村純忠も、地元住民と隔離するために、誰も住んでいない山に囲まれた場所を港に提供します。それが長崎で、その後南蛮貿易によって大きく発展しますが、それがまだ400年ほどしかたっていないとは、あまり知る人がいません。

 そのキリシタンが猛威をふるっている時に登場するのが秀吉です。

 宣教師やキリシタンの行いに激怒し、イエズス会の領土となっていた長崎を取り上げ、全面対決の姿勢を示します。つまり秀吉は、神国日本を異人の手から救ったのです。

 そのときに、遠いヨーロッパで神風が吹くのです。ポルトガルの親分であるスペインの無敵艦隊(アルマダ)が当時の新興国のイギリスから壊滅的な打撃をうけ、一挙に制海権を失うのです。

 そのために、日本侵攻ができなくなり、宣教師はその後ろ盾を失い、秀吉に対抗できなくなります。

 そのときに秀吉が考えたのが、日本の安全保障でした。そのために朝鮮半島がこのままではまた日本の安全が脅かされると思ったのです。だから朝鮮半島へ出兵し、制圧を試みました。

 これからまだまだ続くのですが、このように秀吉は日本の安全保障を考えた国際人であったにもかかわらずNHKは朝鮮半島を侵略したひどいやつとしていつも描いているように思えてなりません。

 お江もそうでした。秀吉は女たらしの権力欲にまみれた醜い存在として描いていましたし、天地人でも秀吉はむごい天下人と描かれていました。

 NHKは秀吉に見て取れる日本の身分制度がゆるく、努力しだいで出世の出来るすばらしい国であったという事実を隠蔽し、努力しても身分制度がひどく、常に日本人は戦争好きな国民で世界に迷惑をかけたと言いたげです。

 もうすこし別な面からみませんか?

 秀吉がいなかったら、私の住む九州はポルトガルの混血やイギリスの混血がたくさん住むような島になっていたかもしれません。