おときた駿(東京都議会議員)

 舛添都政が誕生し、丸二年が経過して折り返し地点を迎えている。前任の猪瀬知事のやり方への反省からか、当初は様々な利害関係者に対して配慮しながら慎重な都政運営を行ってきた舛添知事だが、ここにきて様々な点で綻びを見せている。以下に、都議会議員として知事と対峙してきた視点から、昨今の舛添都政の問題点を指摘していきたい。

東京都の舛添要一知事がフランス訪問。バルス首相(右)と
握手する舛添要一知事 =2015年10月29日、フランス・パリ
東京都の舛添要一知事がフランス訪問。バルス首相(右)と 握手する舛添知事=2015年10月29日、フランス・パリ
 まず何より綻びの象徴として目立つのが、一連の「都市外交」である。語学堪能で海外生活の長い舛添知事は、韓国や欧州各国を訪れるのに非常に熱心だ。今年度の予算でも都市外交に、3億円以上の予算が計上されている。しかしながら「外交」は国家の専管事項であり、どこまで都市の首長が行うべきなのかという点については、当初から強い異論が示されていた。しかしながら舛添知事は意に介することもなく、都市外交に注力する姿勢を強めている。

 そんな中、パリ・ロンドン視察における「20人」「5泊」「5000万円」という数字が大きな話題を呼んだ。都民感覚からして明らかに高すぎる数字に疑問が挙がるのは当然で、私も常任委員会の場でこの数字の内訳について質問を行った。ところが信じられないことに、担当局はこの数字を答えることを拒否。「公文書開示請求をして欲しい」と議員に対して要求する前代未聞の対応で、これでは適切な用途で使っていないと自ら露呈するようなものである。

 本件は各種メディアで大きく取り上げられ、都議会与党の一角である公明党からも情報開示に対する強い要求があり、世論に押される形で舛添知事は5000万円の用途を公開し、今後も情報公開に努めるとしている。しかしながら公開されたその用途では、ファーストクラスの運賃(約266万)やスイートルームの宿泊費(一泊約20万)、高すぎる携帯電話代(約300万円!)などが再び議論を招くことになった。にも関わらず、今月12日からは再びニューヨーク・ワシントン出張に出かけるということであるから、議会や都民からの指摘を意に介する気配もない。

 公会計あわせて総計13兆円からなる東京都の予算規模にあっては、海外出張費などは知事にとって小さな問題なのかもしれない。だが、これほど大きな注目と反発を招いているのは、舛添知事の政策優先順位への大きな疑問である。果たして2年前の選挙において、都市外交はここまで優先される公約であったのか否か。都議会自民党はこうした舛添知事の姿勢を厳しく批判し、舛添知事を支える支持母体である公明党すらも「都市外交の功績は評価するが、復興五輪の象徴である被災地への訪問を優先すべきではないか」と苦言を示すほどである。