杉田水脈(前衆院議員)


画期的だった政府報告


 ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)で2月15~16日(現地時間)、日本軍の慰安婦問題について、重要な議論が行われました。中国や韓国、内外の左派・反日勢力から仕掛けられている歴史戦争で、日本政府が自国の名誉と国益を守るため、しっかりとした反撃の一歩をようやく踏み出した。後年、そう評価されるかもしれないスピーチが、日本政府代表団によってなされたのです。

 本誌1月号で報告したように、CEDAWは昨年夏、日本政府に対し、《最近、「慰安婦の強制連行を証明するものはなかった」との報告を受けた。見解を述べよ》との質問書を出しました。

 CEDAWをはじめ国連の各委員会はこれまで繰り返し、「慰安婦は性奴隷」といった虚構に基づいて日本政府を批判し、さまざまな要求を突きつけてきました。解決ずみの元慰安婦への補償はもちろん、関係者の刑事訴追、関連教育の義務付けなど不当極まりない要求も並んでいました。

 しかし、わが国の政府、外務省は、「慰安婦強制連行は確認されていない」という事実に則った反論はしてきませんでした。代わりに、「(元慰安婦の女性たちに)哀悼の意を表明してきた」「アジア女性基金(AWF)を設立し、償い金をお渡しした」
といった殊勝な言葉を繰り返し、その場しのぎの謝罪で切り抜けてきたのです。不当な批判を認めるかのような外務省の姿勢が、韓国や国内反日勢力の慰安婦をめぐる嘘が国際社会に拡散するのを後押しし、各地で慰安婦像が設置されるのを許してきたと言っても過言ではありません。

 そもそも「性奴隷」なる悪質なレッテルが世界中に広まったのも、1996年に国連人権委員会に提出されたクマラスワミ報告がきっかけでした。外務省はこのとき、同報告書の内容を「極めて不当」「歴史の歪曲に等しい」「受け入れる余地は全くない」ときっぱりと否定する反論書を一旦は提出しながら撤回しています。

 こうした状況に、「もう看過できない。外務省がダメなら、われわれ民間人が立ち上がろう」と考えた「なでしこアクション」会長の山本優美子さんや私たち有志が昨年以降、ジュネーブに足を運び、「強制連行」や「性奴隷」といった慰安婦をめぐるデマに反論してきました。その結果出されたのが、昨年のCEDAWの質問書です。慰安婦問題についての国連の認識を大きく正すことができる絶好の機会であり、政府の回答が注目されていました。