3月7日、国連の女子差別撤廃委員会が日本に向けた「最終見解」を発表した。慰安婦問題の日韓合意については「被害者中心のアプローチが不十分」と批判。夫婦同姓の義務づけや女性だけ再婚禁止期間を定めた民法規定も差別的とされた。当初の見解には、「男系男子の皇位継承を定める皇室典範」に対しての言及もあった (日本政府の抗議で最終見解からは削除)。

 同団体は、女性差別を禁止するために1982年に設立。女子差別撤廃条約の締結国が選出した委員23人で構成され、年3回、スイス・ジュネーブで会合を開くという。最終見解を読むと日本が差別大国であるかのような印象を受ける。

 気になるのは、彼らは何をもとに審査や見解をまとめているのか、という点だ。その歪な構造に疑義を呈したのが漫画家・小林よしのり氏である。同誌は現在発売中の雑誌『SAPIO』の連載『ゴーマニズム宣言』にて解説をしているが、要旨は次の通りだ。

 同委員会は各国民間機関の意見を積極的に受け入れている。ジュネーブで行う会合では民間団体のロビー活動が開かれる。わざわざ同地まで足を運ぶ民間団体は少ない。今回の最終報告には、日本のある市民団体の主張がそのまま反映されている……。

 この構図、何かに似てないか。慰安婦問題にせよ、靖国参拝問題にせよ、最初の火種を起こし、それを海外に持ち込んだのは日本の市民団体や一部のメディアだった。それが事実ならともかく、慰安婦問題でいうなら一昨年の朝日誤報問題で綻びが明らかになっている。

今年の国連の対日報告書では、子どもの人身売買やポルノ問題に関し、日本はJKビジネス(女子高生らによる男性の接待行為)の禁止勧告を受けている。これについては昨年10月、同勧告に携わった国連のオランダ人報告者が日本に視察に訪れ、「女子生徒の13%が援助交際をしている」と発言したことをご記憶の方も多いだろう。日本政府が正式に抗議すると、同報告者は「裏付ける公的かつ最近のデータはない」と回答。

 日本視察時、誰が報告者に「13%」という怪情報をもたらしたかは定かではないが、それが国連の禁止勧告に繋がっているとしたら、由々しき事態だ(JKビジネスは当然、禁止すべきだが、それは日本自体が、正確な状況把握に基づき真摯に取り組むべき問題である)。

 今年2月、国連女子差別撤廃委員会を視察するためジュネーブを訪れた前衆議院議員・杉田水脈氏が語る。

 「国連はいま、日本のリベラル系団体の溜まり場のようになっています。そこで日本の保守系団体が(国連の)会合に参加できれば彼らの“ロビー活動”を阻止できる。しかし、保守系団体は国連外交にそこまで注目してこなかった。国連の認定がないと議論への全面的な参加が許されませんが、保守系団体はこの資格をあまり持っていません」

 風評は立ちやすく、消えづらい。遠いスイスの地で、日本の信用が不当に貶められているとすれば、事態は深刻である。