◆これまで静かすぎた日本の火山

——日本の火山の噴火が相次いでいる。現状をどうみるか。

まず火山活動を見る視点から話したい。火山の噴火には規則性がある。小さい噴火はしょっちゅう起こっている。だが阿蘇山のカルデラをつくるような巨大噴火は、1万年に1回起こるぐらいだ。噴火がしばらくなくても火山の活動が止んでいるのではなく、いつかはそれをカバーするように噴火することになる。

噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI)という指標がある。噴出した火山灰の量で爆発のエネルギーを知ることができる。0~8までスケールがあり、数字が1つ増えると噴火のエネルギーは10倍違う。

 指数4クラスは大噴火、5や6のクラスを巨大噴火と呼んでいる。日本の場合、5は1000年に数回、4は30年に1回起きてもおかしくないとされる。ところがこの数百年間、日本の火山は静かすぎた。5は1730年ぐらい(樽前山の噴火)を境に、ここ300年ぐらいない。一桁小さい指数4の噴火は1929年の北海道駒ケ岳以来ぱたっとない。

だから火山はその分のエネルギーをいつか噴火して取り返すということになる。そういう目でみる必要がある。本当に警戒しなければならないのは、4とか5のクラス。そろそろ起こる時期に来ているのではないかと、火山学者は注意してみている。

◆「活動期に入った」とはまだまだ言えない

一方、日本で今起こっている噴火は、阿蘇山が指数1で、規模としてはすごく小さい。去年の御岳山も指数1だ。この小さいレベルの噴火を多く観測しても、日本の火山が「活動期」に入ったとはまだまだ言えない。

ただ、小さい噴火の回数は数十年前と比べて、確かに2014年ぐらいから増えてはいる。そういう意味では、徐々にだが、大規模な噴火が起こりやすい準備段階には入ったかなという気はする。

◆18世紀の20年足らずで、16000人が火山災害の犠牲に

小さい噴火でも、場合によっては非常に大きな犠牲が出ることが火山災害の特徴だ。

過去の日本では1779年から1792年のわずか20年足らずの間に火山災害が相次ぎ、人口の少ない当時でも1万6000人以上の人が犠牲になっている。これを見ると逆に、それ以降の日本の火山はいかに静かな状態だったかということが言えると思う。