安倍宏行(Japan In-depth 編集長)

 自然災害が続いている。広島の土砂災害の猛威に震撼したばかりなのだというのに、御嶽山の噴火はあまりに突然で、驚きを禁じ得ない。その被害はさらに拡大するかもしれず、自然の猛威の前に人間は無力だと改めて感ぜずにはいられない。

 そうした中、今に始まったことではないが、ネット上では、メディアの取材手法に批判が集まっている。広島の土砂災害の時だけでなく、生き埋めになった人を捜索している時に各社が報道ヘリを飛ばすことは捜索を妨害するとの声が上がっている。また、被害現場近くまで取材クルーやリポーターが大挙して押しよせることも批判の的だ。
広島土砂災害で最も被害が大きかった安佐南区で、住宅街に流れ込んだ土砂=2014年8月20日午前、広島市(森田達也撮影)
広島土砂災害で最も被害が大きかった安佐南区で、住宅街に流れ込んだ土砂=2014年8月20日午前、広島市(森田達也撮影)
 今回の御嶽山の噴火では、噴火直前にツイートしていた人に、多くのメディアが情報を得ようとツイッターでコンタクトを取ろうと試みたが、噴火で安否がわからない人に群がるハイエナのようだ、とネット上で厳しく糾弾された。

 メディアが速報を競い、時として過熱気味に取材攻勢に走ることを戒める声は日増しに強くなっている。実は、新聞・テレビ、それぞれ自主規制ガイドラインを決めている。(注1)どちらも2001年に制定されているにもかかわらず、今も批判に晒されていることをメディアは真摯に受け止めねばならない。

 特に、SNSを使っての取材は東日本大震災後、急速に普及してきた感がある。SNSを学生時代から当たり前のように使ってきた記者が増えていることも関係しているが、二つの点で気を付けるべきだ。

 一つは、ネット上の情報の信頼性だ。そもそも裏が取れている情報なのかどうか、不確かである。うっかり引用しようものならとんでもないやけどをする可能性がある。また、情報が投稿された時間もよく調べないと危険だ。本人の投稿と他人によるリツイートやシェアなどが混在しているからだ。