西条昇(お笑い評論家、江戸川大准教授)

 『めちゃ×2イケてるッ!』が土曜の夜8時台で放送開始されて、今年で20年目を迎えました。数年前まで視聴率20%超えが当たり前だっためちゃイケも、昨年12月5日もスペシャル放送が7.5%、今年1月30日の通常放送が4.5%という歴代最低を記録したり、近年は視聴率的に苦戦を強いられる状態が続いています。2月27日のスペシャル放送では、「三ちゃん」こと三中元克が番組に残留できるかを視聴者の国民投票で決めるという企画が話題を呼びましたが、それでも9.8%と、10%には届かず。2月には、いくつかのメディアで、めちゃイケが「3月で打ち切りか」と報じました。中には、4月からはナインティナインら一部のメンバーが残り、タイトルを少し変えたりしてリニューアルされると伝えるメディアもありました。結局、3月上旬に、4月以降も放送継続されることが伝えられましたが、その間も「早く終わって欲しいご長寿バラエティ番組」というアンケート調査でめちゃイケが1位になったとのインターネットのニュースを読みましたし、当面は厳しい状況が続いて行くと思われます。めちゃイケが再び、かつての人気を取り戻すには、何が必要なのでしょうか。
1999年1月、なんばグランド花月で漫才をするナインティナイン
1999年1月、なんばグランド花月で漫才をするナインティナイン
 めちゃイケはテレビバラエティにおいて多大な足跡を残しました。もともと『新しい波』という深夜のネタ見せ番組から、後にめちゃイケの総監督になる片岡飛鳥さんがまだまだ無名だったナインティナインやよゐこ、極楽とんぼ、オアシズの光浦靖子を見出して、『とぶくすり』という深夜のコント番組に抜擢しました。90年代前半はとんねるずやダウンタウン、ウッチャンナンチャンら第3世代が引っ張るお笑いブームでしたから、彼らよりももっと注目されていた若手がいっぱいいましたが、その中から片岡さんの独特のセンスによってとぶくすりのメンバーが選ばれたわけです。

 そして『めちゃ×2モテたいッ!』を経て、めちゃイケでゴールデンに進出します。とぶくすりの頃はスタジオコントをやっていましたが、めちゃイケになってからはロケなんだけど、ドキュメントとコントの要素をミックスしたような独特の企画を展開していきました。どこまでが計算された台本と演出で、どこからがアドリブやハプニングなのかわからない、笑いの流れを作った上で起こるアドリブやハプニングを上手に取り入れていく虚実皮膜な笑いをめちゃイケがテレビバラエティの中で確立させ、20年続くことができたのだと言えます。